研究概要 |
1.コイルと溶融金属のインピーダンスを考慮して磁束密度分布を計算し,最適なコイル形状を求め,試作した.サーチコイルを用い起電力法によって試作コイルの磁束密度分布の測定をした.その結果,ほぼ計算どおりの結果が得られた. 2.試作したコイルを用いて低融点金属である錫を用いた実験を行ない,溶湯とモールドとの接触状態は間歇的であることを初めて明らかにした.コイルと溶湯表面との相対位置のメニスカスに及ぼす影響を調べた結果,(1)コイル上面と溶湯表面を一致させたときに鋳片の表面性状が最も改善される,(2)溶湯の表面波動特性の測定から印加磁束密度の増加に伴い表面波動高さが高くなる,(3)溶湯とモールドとの間歇接触距離は印加磁束密度の増加に伴い長くなる,また,フラックスの添加により溶湯とモールドとの非接触距離は大きくなる,(4)メニスカスの深さは印加磁束密度の増加によって深くなる.これらの効果によってモールド外部からの磁場印加により連続鋳造鋳片の表面性状を改善することのできる操作条件を把握した.さらに,安定操作には溶湯の表面温度のコントロールも大切であることがわかった 3.金融金属ーモールド間接接触およびメニスカス形状を理論的に求めた結果,実験値と理論値はかなり良い一致をみた.さらに溶湯とモールドとの接触状態が印加電源周波数と深く関係することが判明した.そのため,今後,電源周波数を変えた実験を行い理論解析との比較検討をする必要がある. 4.予備実験と計算結果により簡易連続鋳造装置の設計を行った.
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