研究概要 |
間欠印加型高周波磁場(パルス電源)より発生するコイル内の磁場分布の測定および溶融金属の表面波動特性,メニスカス高さおよび深さと間欠接触距離に及ぼすパルス周波数,印加電流の効果を低融点金属のGaを用いて測定した.黒鉛製モールド内で磁束密度は約60%減少していることが明らかとなりモールドの発熱速度の大きいことが分かった.この発熱速度を測定した結果,発熱速度は磁場印加割合の増加に伴って直線的に大きくなることが分かった. 表面波動は間欠印加周波数が20Hz位までは印加周波数に従って変動するが30Hz以上になると印加周波数には追随しなくなることが判明した.メニスカス高さおよび深さと間欠接触距離は,パルス周波数が10Hzまでは周波数の増大にともない減少する傾向を示し,10Hz以上になるとほぼ一定の値になり,磁場印加割合の増大に伴い大きくなることが明らかになった. これらの知見を基に,錫を用いて連続鋳造実験を行い連鋳鋳片の表面性状度に及ぼす間欠周波数,磁場印加割合および印加電流値の効果を測定した.得られた鋳片の表面には間欠周波数に一致したリング状の縞模様がついていたが,周波数が15Hz以上になると縞模様は周波数に追随しなくなる.表面粗度を測定した結果,間欠的に磁場を印加することによって鋳片の表面性状度の改善を図ることができることが明らかとなった.更なる表面性状の改善のためには高周波磁場印加のタイミングとオシレーションを加えるタイミングの調整を図ることが必要と思われる.
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