研究概要 |
当初研究計画(平成5年度交付申請書)に対応させて,研究実績を以下に示す. [1.粒界析出物のバリアントの規制則] 亜共析鋼の初析フェライト変態と同様な連続析出が起こり,かつ母相が室温で残存する合金であるTi-15%V-3%Cr-3%Sn-3%Al合金(mass%)を用いて,母相bcc(β)粒界に析出するhcp(α)相の結晶方位(バリアント)を観察した結果,粒界面に最も平行な〈111〉βと〈1120〉αが平行となるバイリアントが生成するという規制則を見いだした. [2.オーステナイト合金の凝固柱状晶材の冷間圧延・再結晶挙動] Fe-36%Niオーステナイト合金の凝固柱状晶材を溶製し,冷間圧延・再結晶を観察し,圧延組織および再結晶粒方位が各柱状晶粒の初期結晶方位に依存することを見いだした.また,再結晶速度,再結晶粒径は初期方位によらず均一であり,Fe-19%Crフェライト合金で観察された様な著しい混粒組織は形成されないことを明らかにした.
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