研究概要 |
フェライト系合金柱状晶材の著しい混粒再結晶組織の改善法を検討するため,Fe-19%Crフェライト系ステンレス鋼を用いて以下2つの実験研究を行った. [1]再結晶組織に及ぼす圧延率と焼鈍温度の影響 冷間圧延率を50,70,90%,また焼鈍温度を700〜1000℃の範囲で変化させた実験を行い,圧延率と焼鈍温度の変化による再結晶組織の改善を検討した.その結果,強圧延を施しても,また焼鈍温度を変化させて混粒再結晶組織の改善は達成されないことを明らかにした. [2]クロス圧延および繰り返し圧延焼鈍による結晶粒微細化 (001)[110]初期方位粒は再結晶が遅く再結晶粒径も粗大であるが,再結晶粒の方位はランダムである.このため圧延-再結晶を2回繰り返せば均一微細組織が得られる可能性がある.またクロス圧延によって(001)[110]方位粒において多くのすべり系が活動すれば多くの再結晶核の発生が期待される.これら2つ圧延-焼鈍法の結晶粒微細化に対する有用性を検討した結果,前者によって均一微細組織が得られることを見いだした.
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