本年度はクリープ挙動に重要な役割を果たす折出物の同定とクリープ装置の改良に焦点を絞り研究を行った。 前年度透過電子顕微鏡観察の結果、CoZr及びCoHf中には単相領域を目指して合金組成を調整し、所望の合金を溶製したが、微細ながらも微量な析出物の存在を確認し、状態図に則り、CoZr2及びCoHf2であると断定した。今回は確認の意味で分析電顕JEM‐2000FXを用い直接析出物内の化学組成を分析した。その結果、CoZrの母相中のCoおよびZrの濃度はそれぞれ50.5at%および49.5at%であり、ほぼ1対1の割合になっていた。一方、第2相析出物を分析した結果か、2種類の濃度が測定された。その一つは、65at%Co‐34at%Zr、これは化合物Co2Zrラベース相であることが判明した。他方は、25.9at%Co-74.1at%Zrであり、同様に六方晶系CoZr3であった。この析出物は、状態上状記載されて居らず、準安定な析出物と考えられる。 CoHfに関して同様な実験を行ったが、CoのKalpha線とHf元素のKalpha線が重なり合、分析は不可能であった。 クリープ装置の作成に関しては、圧縮治具はインコネル合金を用い950℃まで使用可能な装置を作成し、実験データーを蓄積しつつある。
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