研究課題/領域番号 |
04555180
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
溶接工学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
瀬尾 健二 姫路工業大学, 工学部, 教授 (70047603)
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研究分担者 |
日下 正広 姫路工業大学, 工学部, 助手 (40244686)
野方 文雄 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (70047629)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 厚膜 / 剥離試験 / 剥離強度 / 密着強度評価 / 破壊力学 / エネルギ解放率 / 溶射皮膜 / エポキシ樹脂ライニング |
研究概要 |
1.厚膜の剥離試験を行うに当たって、厚膜の接合面に平行な力すなわち剪断力が生じると剥離強度評価が複雑となる。そのためこの剪断力が全く生じない剥離試験治具を製作した。そして剥離試験中、引張力のみが加わる試験方法を開発し、さらに試験中の荷重-荷重点変位の関係をリアルタイムでマイコンに取り込めるようにし、試験精度を向上させることが出来た。 2.本研究で重要なポイントである剥離長さの同定に関して、ビデオカメラおよびひずみゲージを用いて実用可能な精度の範囲で測定できるようになった。 3.剥離中の荷重および剥離長さを用いて、剥離中の剥離強度基準として、限界エネルギ解放率を算定できるアルゴリズムを作製した。そしてコンクリートの表面にエポキシ樹脂ライニングを施した試験片を用いて剥離試験を実施し、剥離強度を限界エネルギ解放率で評価した。限界エネルギ解放率は剥離中、剥離荷重・剥離長さにかかわらず一定値となり、剥離強度基準となることを確認出来た。さらにこの値は厚膜の弾性係数の影響をも受けないことが明らかとなった。 4.ステンレス母板にアルミナを溶射した溶射皮膜の密着強度評価にも適用した。その際アルミナ皮膜は非常に脆いので補強板をつけて試験した。しかし補強板には依存しない剥離強度が得られ、溶射皮膜の密着強度評価にも適用可能であることが明らかになった。 5.考案した試験方法の実用化にあたって、き裂長さの測定はかなり面倒な作業となる。そこでやや測定精度は落ちるが、き裂長さを測定することなく、荷重と荷重点変位のみから、簡易的に限界エネルギ解放率を算定できるアルゴリズムを作製した。これにより簡易試験装置の開発への道を開くことが出来た。
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