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1992 年度 実績報告書

混合ポリ酸非晶質薄膜のエレクトロクロミック特性と調光素子への応用

研究課題

研究課題/領域番号 04555182
研究機関東京大学

研究代表者

工藤 徹一  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90205097)

研究分担者 川上 章  日立マクセル(株), 技術本部, 主任研究員
岸本 昭  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30211874)
キーワードポリ酸 / 非晶質 / 薄膜 / エレクトロクロミズム / 調光素子
研究概要

電気化学的エレクトロクロミズム(EC)は、その発見の当初は表示素子への応用が熱心に検討されてきたが、最近では社会的インパクトのより大きい調光素子へ展開しようという動向にあり、自動車の妨眩ミラーなどとして、一部で実用にも供されるようになった。しかし、開発が最も望まれているのは、大規模な省エネルギー効果を期待できるビルディング等の建築物用EC調光ガラスである。従来の熱線反射ガラスよりはるかに効果が大きく、しかも、室内居住環境にも好ましい。実現には、大面積のEC膜を安価に作製する技術が必須である。
報告者らは、平成2および3年度にわたる一般研究(C)において、過酸化ポリタングステン酸の湿式塗布によって得られる非晶質薄膜の構造と電気化学的特性について調べた。その結果、W-Mo系やW-V系の混合ポリ酸から得られる膜が可逆的で着消色コントラストの高いエレクトロクロミズムを示す事を見いだしたので、これらを工学的に評価し、開発の望まれている調光素子(調光ガラス)への応用の可能性を検討するのが本研究の目的である。
本年度は以下の2点について明らかにすることができた。
(1)発色膜材料の工学的評価と性能向上:現在、良好な基礎特性の確認されているW/Mo系混合膜について、着消色の電流および着消色繰り反しなどによる特性変化など、応用上重要な特性を調べ、膜厚や熱処理温度等の諸パラメータとの関係を調べた。その結果W:Mo=1:1熱処理120℃程度のものが良好なEC特性を示した。
(2)電解質界面の挙動:実際の素子にはイオン伝導層として固体電解質が用いられるので、ポリ(エチレンオキシド)/LiClO_4系の高分子固体電解質上に発色膜を形成し、界面の挙動と発消色特性の関係を調べた。その結果着色反応は主に拡散律速であることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Kishimoto,T.Nanba and T.Kudo: "Amorphous Tanatalum and Niobium Oxide Proton Conductors Derived from Respective Peroxopolyacids" Solid State Ionics. 53-56. 507-502 (1992)

  • [文献書誌] K.Hinokuma,K.Ogasawara,A.Kisimoto,S.takano and T.Kudo: "Electroc-romism of Spin-coated MoO_3・nH_2O thin films from peroxo-polymolybdate" Solid State Ionics. 53-56. 993-997 (1992)

  • [文献書誌] A.Kishimoto,N.Matsuzaki and T.Kudo: "Oxygen molecules stably caged in a UV irradiated thin film from peroxo polytungstic acids" J.Ceram.Soc.Jpn.,. 101. 143-4 (1993)

  • [文献書誌] K.Hinokuma,A.Kishimoto and T.Kudo: "Coloration dynamics for spin-coated MoO_3・nH_2O electro-chromic films fabricat d from peroxo-polymolybdate" J.Electrochem Soc.,.

  • [文献書誌] 岸本 昭 分担: "化学用語辞典(第三版)" 技報堂出版, (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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