研究課題/領域番号 |
04555185
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井関 孝善 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016818)
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研究分担者 |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (80158039)
宮崎 広行 東京工業大学, 工学部, 助手 (30239389)
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キーワード | 微小試験片 / 強度 / セラミックス / 寸法効果 |
研究概要 |
1. 微小試験片の曲げ強度測定のため、クロスヘッド速度を低速にすることができる、小型で安価な試験機を作製した。負荷の発生機構に積層圧電アクチュエーターを使用したことにより、負荷機構を簡単にでき、クロスヘッド速度の制御を容易に行うことができた。試験片の変位量を直接測定する機構を追加することにより、微小試験片の強度だけでなく、静的弾性率の測定も行うことができた。本試験機による強度測定値の信頼性は、市販の万能試験機による測定値の信頼性と同程度であり、本試験機が微小試験片の曲げ強度を測定する上で有効な装置であることがわかった。 2. 微小試験片の強度に影響を与えると考えられる因子として、試験片の表面粗さ、ねじり応力、荷重速度の影響を評価した。この結果、今回用いた試料ではJISR1601に定められている表面粗さを用い、試験片の幅と厚さと長さの比がほぼ一定となるように試験片を微小化し、各サイズの試験片で歪み速度が等しくなるように荷重速度を設定した場合には、これらの影響による測定誤差は生じにくいことがわかった。 3. 数段階に寸法を微小化させた試験片を用いて、強度測定を行った結果、各寸法の試験片の測定強度はワイプル分布による強度の整理が可能なことがわかった。また、今回用いた試料では破面のSEM観察の結果、破壊源はどの試料でも主に表面破壊であり、ワイブル係数は最も小さい試験片を除きほぼ一定の値を示した。これから、ワイブル係数が一定である場合には、表面積を用いた単一モードの寸法効果式が成立すること、そして、微小試験片の測定強度から標準試験片の強度が予測できることがわかった。
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