研究分担者 |
槍田 義則 日本電波工業(株), 第1水晶部, 部長
細川 忠利 秩父セメント(株), FC生産部, 主任研究員
野中 秀彦 電子技術総合研究所, 材料科学部, 研究員
荒井 和雄 電子技術総合研究所, 材料科学部, 部長
細野 秀雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30157028)
|
研究概要 |
1.吸蔵ガス分析装置(4年度設備)に雰囲気炉用放射温度計(5年度設備)を接続し超高真空中でシリカガラス等の試料を加熱した時に発生する微量ガス成分を分析した.逆に酸素不足型欠陥を含むシリカガラスを酸素ガス雰囲気中で加熱し,欠陥が消滅する速度を解析してこの欠陥の光吸収断面積を求めた.この成果はJ.Non-Cryst.Solids誌に受理され印刷中である. 2.シリカガラスは機械的研磨で表面に変質層が生じ真空紫外域に光吸収損失をもたらすこと,しかし水晶ではこの吸収が生じないことを明らかにした(論文準備中).また,シリカガラスの表面改質に関連して各種イオンを打込み,酸素過剰型欠陥(〓Si-O-O-Si〓)と酸素不足型欠陥の生成濃度を等を測定し,打込みイオン種と母体との化学反応を統一したモデルで説明した.この研究成果はNuclear Instruments and Methods in Physics Research B.誌に受理され印刷中である. 3.シリカガラスをイオン化放射線で照射するとE'中心あるいは非架橋酸素に捕獲された正孔中心等が生成する.これ等の中心の生成量は,正常な結合の切断と,酸素不足/過剰型欠陥から生ずるものがあることを定量的に明らかにした.この成果はPhysical Reviewに発表した(「報文:その3」本報告書2-25〜2-29ページ). 4.秩父セメント(株)で浮遊帯溶融法で試作した還元性単結晶ルチルの低温および室温の電気伝導率を測定し,光吸収帯の強度との相関を調べた.両者が共にスモ-ルポーラロンに起因するというBogomolovの理論に従う品種と理論から外れる品種があることを見出した(発表予定). 5.日本電波工業(株)で種々の条件で人工水晶を試作し,8.0eVにピークを持つガウス型吸収帯の強度が不純物濃度に比例して増すことを確認し,学会で発表した[1992年10月,日本セラミックス協会秋期シンポジュウム].
|