研究概要 |
本研究では、レーザー光を用いた固体表面反応を制御することで酸化物半導体および硫化物半導体の薄膜および超格子膜の作製を試みるために対応する装置の開発および第二の光を用いることで膜の層方向,平面方向に微細構造を有する超薄膜を作製するための装置の改良を行った。具体的には、現有する熱CVD装置に光源を2つ導入できる形に改良を行い光CVDチャンバーを作製した。固体表面反応制御用の第一の光源としてエキシマーレーザー(ArF193nm)を使用し、さらにin-situに導入する第二の光として各種光源を導入できるような装置を作製した。この装置を用いることで、成膜中である程度の反応制御が可能となり現在のところ微細構造を有する酸化チタン,酸化亜鉛,硫化カドミウムといったII-VI族半導体薄膜の作製が可能となっている。また、マスクを通して光照射を行うと光照射部にのみ反応が進行することが認められ、膜の平面方向への微細構造の作製も可能となった。さらに、第二の光源をin-situで導入すると異なった構造を有する膜が成膜することがX線回折測定,X線光電子分光測定,ラマン分光測定および紫外可視分光測定により認められた。そこで、現在in-situコントロールによりマスクを用いない形での膜の平面方向への微細構造の作製を行っており、物性の異なったある程度微細構造を有する膜が作製されている。この表面での光化学反応をさらにin-situで測定するための装置の1部として現在リードオージェをこの装置に導入している。さらに、in-situで測定するための装置の1部である分光装置を新たに開発し、現在その性能の評価検討を行っている。今後は、超格子膜作製装置として完全に膜の構造制御ができる形にするためにパルス分子線装置を開発を完全に行い酸化物超格子,硫化物超格子膜を作製し、短波長発光素子の開発に結び付けていく予定である。
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