研究課題/領域番号 |
04555195
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤平 正道 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (40013536)
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研究分担者 |
中村 静雄 日本真空技術株式会社, 計器事業部(技術担当), 部長
西山 勝彦 東京工業大学, 生命理工学部, 教務職員 (10202243)
秋葉 宇一 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60184107)
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キーワード | 質量分析装置 / 電気化学反応のその場測定 / 光化学反応のその場測定 / CO_2還元 / 水の光分解 / 酸素発生 / 人工光合成 / 選択的膜透過 |
研究概要 |
本研究では従来法では同定できなかった溶液中での電気化学・光化学反応の中間体や生成物を、これらの反応進行下でその場で同定できる新い質量分析装置を開発することを目的としている。すでに予備的実験により本法が電気化学・光化学反応(CO_2還元やH_2Oの酸化)の反応機構解明や触媒開発に極めて有効であることを示してきたが、本研究では本装置を実用化させるために以下の点を重点的に検討することにした。(1)応答の高連化(測定時間分解能向上)、(2)生成物の選択的透過膜の開発、(3)質量分析感度の向上(溶媒による妨害の底減)、(4)本法用の電気化学・光化学装置(電極、光源、反応セル等の開発。 特に本年度は以下の項目を重点的に検討した。(1)光源、光導入部を設けた光化学反応追跡用の反応セルの試作、(2)溶液の対流による物質移動の促進と感度の向上、(3)溶媒と反応物を高選択的に分離する隔膜の探索、(4)エネルギー・環境問題に関連した炭酸ガス固定のための高効率・高選択性電気化学・光化学触媒の開発と本装置による触媒反応中間体・生成物の同定。(1)については500W高圧水銀灯を光源として用い、水あるいは酢酸水溶液と接触した酸化チタン微粒子薄膜に光照射し、この光触媒反応で生成した揮発性生成物を秒のオーダーで追跡した。微粒子薄膜はPTFE膜の上に直接形成したため、時間分解能は極めて良好で、従来の反応後の気相成分のGCによる分析法では不明であった光触媒反応の極く初期の反応を追跡することに成功した。(2)については回転流れ中に静止ディスク電極を置いた系での回転棒とセルの大きさが電流電位曲線のノイズに及ぼす因子を決定した後、最適な回転棒とセルをDEMSに取りつけ、主としてCO_2の還元とH_2発生の電気化学反応を例として(3)と(4)の課題についてその有用性の検討した。
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