研究課題/領域番号 |
04555195
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤平 正道 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (40013536)
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研究分担者 |
中村 静雄 日本真空技術株式会社, 計器事業部, 事業部長
秋葉 宇一 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60184107)
菅 耕作 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90016642)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 質量分析装置 / 電気化学 / 光化学 / 放電化学 / その場測定 / 溶液回転電気化学セル / 有機電界発光素子 / 微細加工 |
研究概要 |
本研究では従来法では同定できなかった溶液中での電気化学・光化学反応の中間体や生成物を、これらの反応進行下でその場で同定できる新しい質量分析装置を開発することを目的としている。平成4-6年度の研究により、本法が電気化学・光化学反応(CO_2還元やH_2Oの酸化)の反応機構解明や触媒開発に極めて有効であることが示された。 さらに、本装置を実用化させるために、以下の点も検討した。1)応答の高速化(溶液の対流による物質移動の促進と排気速度の増大による測定時間分解能の向上)。2)生成物の選択透過膜の開発。3)質量分析感度の向上(溶液の対流による物質移動の促進、すなわち反応速度の増進、および溶媒による妨害の低減)。4)本法用の電気化学・光化学装置(電極、光源、反応セル等)の開発と改良。 また、当初予想したように、本方法は溶液内電気化学・光化学反応のみならず、他の系での電気化学・光化学プロセスのその場測定法としても極めて高い可能性を秘めていることが、その後の研究から次第に明らかになってきた。すなわち、最近有機電界発光素子が実用化されつつあるが、今日でもその長寿命化が極めて重要な課題となっている。そこで、本研究で開発した質量分析装置を用いて、有機電界発光素子を動作させながら、微量の分解生成物をその場測定し、分解機構を測定した。このような分解機構の解明は短寿命の原因を明らかにするもので、素子の長寿命化への指針を与えている。 その他、ナノ化技術の発展に伴って、微細加工過程で生ずるイオン、分解生成物等を同定して、加工機構を解明することも極めて重要な課題となっている。研究としてまだ完成するには至らなかったが、本質量分析装置がこのような微細加工研究分野での研究推進にも多いに役立つことが示唆された。
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