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1992 年度 実績報告書

オプトエレクトロニクス用分子素子の磁気的制御

研究課題

研究課題/領域番号 04555199
研究機関九州大学

研究代表者

松尾 拓  九州大学, 工学部, 教授 (30037725)

研究分担者 米村 弘明  九州大学, 工学部, 助手 (40220769)
山田 淳  九州大学, 工学部, 助教授 (30136551)
キーワード電荷分離 / 光誘起電子移動 / 化学発光 / 超薄膜 / ルテニウム錯体
研究概要

1。ポルフィリン亜鉛錯体あるいはフェノチアジンの光励起種を電子供与体(D)とし、ビオローゲンを電子受容体(A)とするD-A連結系について、レーザー励起で電子移動を誘起すれば三重項の電荷分離状態が生成し、0.3T以上の磁場の印加によって大幅に寿命が延びる事を見出した。時間分割電子スピン共鳴による検討の結果、電子スピンの反転を伴う三重項エネルギー順位の緩和が律速段階である事が判明し、電荷分離状態の寿命制御法として外部磁場が非常に有用である事が分かった。
2。ルテニウムトリスビピリジン錯体を酸化鉛で酸化した後、トリエタノールアミンなどの還元剤を加えると励起種からの化学発光が起こる事を参考に、ルテニウム錯体とビオローゲンの光誘起電子移動で生成した電荷分離状態へ還元剤を作用させて発光させるのに成功した。還元剤なしでは電荷分離状態からの発光はほとんど見られず、光誘起電子移動で生じた酸化種が化学反応で発光する事を実証できた。ミセルと水の界面を反応の場として、静電相互作用を反応制御の手段に用いる事も可能となった。
3。界面活性剤骨程をもつルテニウムトリスビピリジン錯体をポリ塩化ビニールのテトラヒドロフラン-トルエン混合溶媒に溶かして水面に展開し、ルテニウムトリスビピリジン錯体が膜表面に表列した水面展開膜を作成する事ができた。このルテニウムトリスビピリジン錯体は光励起によって容易に電子移動反応を起こす事が確認され、電荷分離状態を発光に導く有望な材料である事が明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Yonemura: "Magnetic Field Effects on Photoinduced Electron-Transfer and the Succeeding Processes in Phenothiazine-Viologen Linked Compounds Incorporated into Cyclodextrins or Reversed Micelles" Chem.Phys.162. 69-78 (1992)

  • [文献書誌] H.Sakaguchi: "NOvel Second Harmonic Generation from Intermolecular Charge-transfer Complexes of Styrylpyridinium Tetraphenylborate" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,. No.3. 209-210 (1992)

  • [文献書誌] T.Matsuo: "Optical Second Generation from Ultrathin Polymer Films Impregnated with Ruthenium Polypyridine Complexes" Chem.Lett.No.12. 2363-2366 (1992)

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Time-Resolved Electron Spin Resonance Spectra of Linked Radical Pairs on Laser Excitation of Zinc Tetraphenylporphyrin-Viologen Systems" J.Phys.Chem.97. 534-536 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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