研究課題/領域番号 |
04555201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤元 薫 東京大学, 工学部, 教授 (30011026)
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研究分担者 |
内田 洋 東京ガス, 基礎技術研究所, チームリーダー
小俣 光司 東京大学, 工学部, 助手 (70185669)
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キーワード | メタン / エタン / 酸化カップリング / エチレン / メンブレンリアクタ- / 多孔質膜 / 酸化鉛 / 反応分離 |
研究概要 |
天然ガスは石油に匹敵する埋蔵量があり、エネルギ-源としてばかりでなくその主成分であるメタンの化学的な利用法の開発が望まれている。本研究では酸化カップリングによる選択的エチレン合成を目的として種々のメンブレンリアクタ-を作成しその特性について検討する。これまで多孔質管に触媒薄膜を形成したもの(タイプA)、多孔質管に触媒成分を含む液膜を形成したもの(タイプB)、触媒酸化物そのもので管を形成したもの(タイプC)を試作した。本年度は特にタイプAについてさらに検討を行なった。 タイプAについては多孔質支持体上に緻密な酸化物を形成させる必要があるため、その製造技術の確立が大きな課題となる。酸化鉛薄膜を形成させる支持体について検討を行なった結果、シリカ・アルミナの多孔質管を支持体としたときに緻密な酸化鉛薄膜が形成されることがわかった。これはシリカと酸化鉛が750-800℃で焼成することによって共融し鉛ガラスに変化する過程で緻密化するものであることが明かとなった。さらにこのようにして作成した酸化鉛メンブレンの表面修飾を行なうことにより高活性化を試みた。表面の酸化鉛膜に種々の塩基性酸化物を添加したところその塩基性に応じてカップリング速度が上昇し、K_2O添加の場合無添加に比べ速度が2倍まで向上した。通常の触媒反応においても塩基性の金属酸化物を担体として用いると高い活性、選択性を与えることが知られており、本研究の場合も添加物による酸化鉛修飾が有効であることが見いだされた。
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