研究概要 |
(イ)電気化学的手法を用いる2-トリフルオロメチルベンズイミダゾールの合成 N、N′置換トリフルオロエタンイミダミドを白金電極を用い、単一槽中で、定電流密度電解酸化を行なった。溶媒として、乾燥アセトニトリルと含水アセトニトリルを検討した。前者の場合、圧倒的に、目的のベンゾイミダゾールが生成した。一方、後者の溶液では、キノンイミン体が収率70〜90%で生成した。いづれの反応も、低い電流密度電解が好ましい結果を得た。置換基を変え、約20種の化合物を調べたが、一般にはパラ-置換体が良い収率を与えた。キノンイミン体はBF_3触媒で6-位に水酸基を有するベンゾイミダゾールに変換できた。 (ロ)2-トリフルオロメチルインドールの合成;上記の反応を3-N-アリール-4,4,4-トリフルオロ-2-ブテノエ-トに適用するとキノンイミンを経て、2-トリフルオロメチル-3-カルボキシインドールになった。 (ハ)トリフルオロメチル化したスピロジアザカルボサイクルの合成 (イ)で得た、キノンイミンをDMSO中120℃で熱環化するとスピロジアザカルボサイクル体となった。これをTFA触媒で転位させると、1,3-ジアゼピン誘導体となった。 生物活性試験;(ハ)で合成したスピロジアザカルボサイクル体の一部は殺菌剤のスクリーニングの結果稲のいもち病に対し、効果を示した。
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