研究分担者 |
佐野 茂 株式会社ユアサコーポレーション, 東京開発室, 主務
丸山 司 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40239158)
神原 貴樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90204809)
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (00152455)
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研究概要 |
ニッケル錯体を用いた脱ハロゲン化重縮合法により長鎖アルキル基やOR基等の官能基を有するポリ(2,5-チエニレン)ポリ(ピリジン-2,5-ジイル)、ポリ(2,2′-ビピリジン-5,5′-ジイル)等の誘導体の合成を行い、それぞれ高収率で得た。また、ポリ(キノリンジイル)類をハロゲン化アルキルと高分子反応させることにより四級化ポリ(キノリンジイル)を合成した。得られたポリマーは有機溶媒に可溶であり、キャスト法による薄膜成型が可能であった。 得られたポリマーについて化学的・電気化学的酸化還元機能を検討した。その結果、ポリ(2,5-チエニレン)誘導体は主にp型ドーピング特性を示し、ポリ(ピリジン-2,5-ジイル)及びポリ(2,2′-ビピリジン-5,5′-ジイル)誘導体はn型ドーピング特性を示すことがわかった。また、四級化ポリ(キノリンジイル)はビオロゲンと類似の酸化還元挙動を示した。これらの酸化還元特性はいずれも可逆的に進行し、電気化学的酸化還元による薄膜の色調変化が観察された。また、ポリ(ピリジン-2,5-ジイル)、ポリ(2,2′-ビピリジン-5,5′-ジイル)誘導体、ポリ(キノリンジイル)類は比較的強い蛍光特性を示した。 上記の知見に基づきポリマーのECD特性を測定した。その結果ポリ(2,5-チエニレン)誘導体では主に酸化(p型ドーピング)によるECD特性が、ポリ(キノリンジイル)類では還元(n型ドーピング)によるECD特性が各々の電子スペクトル変化によって測定され、可溶性高分子を用いたECD素子が得られることがわかった。また、ポリ(p-フエニレン)、ポリ(2,5-チエニレン)については蒸着膜を作製しEL特性を測り、約15Vの電圧で発光することを確認した。
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