研究課題/領域番号 |
04555215
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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研究分担者 |
佐野 茂 (株)ユアサコーポレーション東京開発室, 主幹
丸山 司 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40239158)
神原 貴樹 富山大学, 工学部, 助教授 (90204809)
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | π共役高分子 / ECD / EL / 素子 / 導電性高分子 |
研究概要 |
平成4及び5年度の本研究において、ポリ(チオフェン-2、5-ジイル)、ポリ(ピリジン-2、6-ジイル)及びこれらの誘導体であるπ共役高分子が優れたエレクトロクロミック(ECD)及びエレクトロルミネッセンス(EL)機能を有することを見いだした。6年度の研究ではこれに基づき、実用的なECD、EL素子の開発を目指して、新規の構造を有する高分子化合物を合成し、これをベースとする素子作製や機能評価を行なった。 ECD材料としてポリ(3-ヘキシル-チオフェン-2、5-ジイル)をガラス電極上にをキャスト膜として成型した試作素子を作製した。その電気化学的なド-ピング、脱ド-ピングを行なった結果、高分子のπ-π^*遷移による吸収の可逆な移動が観測され、明確な色調変化が高い繰り返し応答性で観測された。 EL素子材料としてクラウン環が結合したチオフェンを構造単位とする新規なπ共役高分子を合成した。あわせて、チオフェンとの交互およびランダム共重合体も合成した。これらの高分子は蛍光をもつことを確認し、さらに次の手順で素子作製に用いた。正極とする無蛍光の透明ガラス電極上に高分子薄膜をスピンコートによって形成し、さらにA1またはMgAg(Mg:Ag=1:10)を負極として帯状に蒸着した。この素子は青-緑の発光を示し、かつそのピーク位置は高分子構造によって制御できることが共重合体を用いた測定から明らかになった。 本年度の研究により可溶性導電性高分子をベースとして有機ECD及びEL素子を作製、そのすぐれた特性を明らかにした。本研究は、有機溶媒への溶解性が高い高分子材料を用い、大面積の素子作製が容易である点に特長を有し、その成果は有機光学素子の新しい機能開発へ発展するものと期待される。
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