研究課題/領域番号 |
04555216
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
瀬 和則 福井大学, 工学部, 助教授 (00154633)
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研究分担者 |
梅田 達夫 日華化学(株), 研究開発部, 研究員
上野 昌宣 日華化学(株), 研究開発部, 室次長
東郷 重左衛門 日華化学(株), 研究開発部, 部長
高橋 利禎 福井大学, 工学部, 教授 (30020184)
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キーワード | 4本腕星型高分子 / 精密合成 / 多量合成 / リビングアニオン重合 / マクロモノマー / 末端重合性高分子 / α-メチルスチレン / 平衡重合 |
研究概要 |
本研究により得られた初年度と最終年度の研究成果の概要を、以下にまとめて述べる。 1.末端重合性高分子の合成:α-メチルスチレンを高真空下、アニオン重合し、その成長末端をp-イソプロペニル塩化物で停止させて、分子量が異なる数種類の末端重合性高分子(マクロモノマー)を精密に合成した。 2.α-メチルスチレン四量体の精密合成:天井温度以上においてα-メチルスチレンをナトリウム鏡と反応させた場合の4量体の生成機構を詳細に検討した。その結果、副生成物の2量体の形成を押え、4量体を収率よく合成できる最適条件を見いだした。 3.4本腕星型高分子の合成:ポリ(α-メチルスチレン)マクロモノマーをナトリウム鏡と反応させる方法と、過剰のナトリウムがない状態でマクロモノマーのラジカルアニオンとマクロモノマーを長期間保存する方法の2通りの反応法を新たに開発した。その結果4量体星型高分子と2量体線状高分子の時間-収率曲線を得た。 4.連続一次反応の制御:マクロモノマーと4量体と2量体の間に、連続一次反応式が成り立つことを見いだし、4量体の生成速度定数とk_1と4量体の分解速度定数k_1'の腕鎖の分子量依存性とナトリウム鏡の面積依存性を世界で初めて定量化した。得られた結果より、構造が明確な星型高分子を精密多量合成できることが分かった。 5.星型高分子の溶液物性:得られた試料の分子量は線状高分子のそれと大きく異なり、小角光散乱測定より求めた第二ビリアル係数も線状高分子のそれと大きく異なった。そこで、星型高分子の慣性自乗半径を理論的に計算して、星型高分子の特異な溶液物性を解明した。以上の結果より、本研究目的をほぼ達成することができた。
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