研究課題/領域番号 |
04555218
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 雅英 京都大学, 工学部, 教授 (40025961)
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研究分担者 |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 社長
大岡 正孝 京都大学, 工学部, 教務職員 (10160425)
土田 亮 京都大学, 工学部, 助手 (60183076)
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キーワード | 高分子超薄膜 / ナノ秒レーザー分光法 / 過渡吸収スペクトル / 中間体分光測定 / イメージインテンシファイアー / マルチチャンネルイメージセンサー / 微小吸収測定 / 極短時間分光 |
研究概要 |
平成4年度(初年度)においては、薄膜用レーザーホトリシス測定装置の立ち上げと、その基本的な性能評価をおこなった。薄膜試料については、極微小な過渡吸収変化を測定しなければならないのと、劣化の可能性のある試料については多数回の測定露光が好ましくないため、近接型イメージインテンシファイアー(I/I)付のマルチチャンネルイメージセンサーを分光器に組み込んでレーザーホトリシスの検出器とした。 現在までに確認した基本的な性能は、(i)測定可能波長範囲は300〜850nmであり、このうち414nmの幅を同時に分光測光可能である。この波長範囲は、用いているI/Iの感度により決定されている。(ii)ゲート幅については、マルチチャンネルホトダイオード(MCPD)のみならば30ms、さらにI/Iの高速ゲートを加えることにより最高速3nsの時間分解が可能である。(iii)使用しているMCPDの測定可能吸光度(Absorbance)の理論限界値は0.0001であるが、ノイズ・ドリフト等の影響で現在測定可能な最小値は0.001である。但し、スペクトル測定においてバンドピークを認識しようとすると、0.01くらいの吸光度が必要である。これにより、10um厚のPMMA皮膜にドープされたベンゾフェノンの励起三重項状態の過渡吸収スペクトルが測定可能である。 平成5年度(終年度)においては、この測定装置の性能限界をさらに見極め、どこまで薄い膜の過渡吸収が、どこまで短い時間領域で測定可能かを評価する。さらに、現在注目されている具体的な機能性薄膜、例えば、カルバゾールクロモホア、ポリジアセチレン等についての分光測光をおこない、本装置の実用性について確認する予定である。
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