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1993 年度 実績報告書

光学異性体高度分離に適合する不斉認識機能を持つ膜素材の合成および製膜法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04555224
研究機関大阪大学

研究代表者

東稔 節治  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40029418)

研究分担者 野々口 泰  長瀬産業株式会社, 研究センター, 研究員(研究者)
正脇 輝之  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10209421)
田谷 正仁  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (60144127)
キーワード光学異性体 / 光学分割 / 不斉認識 / 膜分離 / 生理活性体 / プラズマ重合 / 限外ろ過 / 酵素固定化膜
研究概要

本研究では,分離対象物の不斉立体構造を高度に識別可能な機能性高分子素材を適用することにより,光学異性体の高度分離に適合する限外ろ過膜の製膜技術を開発することを目的とし,種々検討を行い以下の結果を得た.
1.アミノ酸固定化膜 不斉源としてL-フェニルグリシンを選び,グルタルアルデヒドとの反応により得られる縮合物をポリスルホンとともに湿式法により製膜し,アミノ酸固定化膜を得た.製膜条件を種々検討したところ,製膜条件により分離係数が大きく変化することが明かとなり,溶媒蒸発条件を60℃,65分としたときラセミ体フェニルグリシンの分離係数は9.1であった.また,L-フェニルグリシン固定化膜が,種々の芳香族アミノ酸の光学分割に適用可能であることを見出した.
2.L-メントールプラズマ重合膜 プラズマ重合法により種々の細孔径を有する多孔質酢酸セルロース膜上にL-メントールを固定化した.L-メントール固定化量は,プラズマ照射時間と共に増加するが,膜孔径が0.2μm,0.45μm,0.8μmの酢酸セルロース膜を用いた場合,それぞれ60分,75分,150分以降では固定化率があまり増加せず,その場合の純水透過係数が膜細孔径の2乗に比例することがわかった.また,ラセミ体トリプトファン,フェニルアラニン,チロシンの光学分割を行ったところ,同じ操作圧力ではトリプトファンの分離係数が最も高く,光学分割には立体因子が大きく寄与していることがわかった.
3.テルペン固定化膜 プラズマ重合法により光学活性テルペン類であるL-メントール,S-シトレネロール,R-リモネン,S-ボルネオールを孔径0.2μmの酢酸セルロース膜上に固定化した.プラズマ重合条件を種々変化させ膜を調製したところ,プラズマ照射時間を長くすることにより,テルペン固定化量が増加し,透過流束は減少するものの高い分離係数が得られることが明かとなった.いずれの膜も高いラセミ体アミノ酸光学分割能を示したが,中でもS-シトロネロール固定化膜が最もよい分離係数を示した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 東稔節治: "新型メンブレンリアクターを用いる光学異性体の高度分離" ケミカルエンジニヤリング. 38. 25-29 (1993)

  • [文献書誌] 東稔節治: "不斉認識分離膜によるアミノ酸の光学分割における置換基の影響" 化学工学会富山大会講演要旨集. 276-278 (1993)

  • [文献書誌] 正脇輝之: "フェニルグリシン固定化膜によるアミノ酸の光学分割" 化学工学会第58年会講演要旨集. 3. 159 (1993)

  • [文献書誌] 東稔節治: "プラズマ重合膜によるアミノ酸の光学分割" 化学工学シンポジウムシリーズ「膜工学の新しい挑戦-1993」. G317 (1994)

  • [文献書誌] 東稔節治: "圧力勾配下におけるアミノ酸固定化膜を用いたアミノ酸光学分割に及ぼす粘性流の効果" 化学工学会第59年会講演要旨集. J302 (1994)

  • [文献書誌] 東稔節治: "L-メントールプラズマ重合膜によるアミノ酸光学分割における不斉認識機構の解析" 化学工学会第59年会講演要旨集. J303 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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