研究課題/領域番号 |
04556001
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鵜飼 保雄 東京大学, 農学部, 教授 (80240729)
|
研究分担者 |
二宮 正士 農水省, 農業環境技術研究所・環境管理部, 研究室長
高野 泰 東京大学, 農学部, 助手 (40012009)
上村 賢治 東京大学, 農学部, 助教授 (60012043)
武田 元吉 東京大学, 農学部, 教授 (90134501)
斎尾 乾二郎 東京大学, 農学部, 名誉教授 (80011831)
|
キーワード | ゲノム / 遺伝 / RFLP / DNA多型 / 選抜 / 連鎖地図 / 育種方式 / プログラム |
研究概要 |
昨年度公開したDNA多型連鎖地図の自動作成用プログラムMAPLに、つぎの改良を加えた。 (1)F_1配偶子からの倍加半数体利用の連鎖地図作成にも適用可能とした。(2)入力データの選択や並替え用プログラムを追加し、新多型座について連鎖群を高速で確定するためのマーカーセットを組めるようにした。(3)グラフ遺伝子型に既知の形質連鎖地図と染色体型を併示し比較できるようにした。MAPLは、公開後国内外から計20数件の配付依頼を受け、イネ、トマト、オオムギなどの作物の連鎖解析や連鎖地図作成に応用された。 またDNA多型連鎖地図を利用した量的形質遺伝子座(QTL)の解析のためのプログラムとして、(1)QTLデータ入力、(2)QTLの統計遺伝学的解析とくに遺伝母数と遺伝率の推定、(3)EMアルゴリズムを用いたQTLの連鎖群上位置と遺伝効果の推定、のための3プログラムを開発し、MAPLに統合した。 プログラム開発と併せて連鎖地図作成の実際上問題となる点について理論的検討を行った。分離データについて誤分類がある場合の組換価の推定値への影響を調べ、また誤分類の存在下でも偏りのない組換価を推定する方法を提案した。連鎖群上に配偶子または接合体レベルの致死因子が存在する場合の組換価の推定値への影響の有無を調べ、致死因子の連鎖群上の位置を求める方法を示した。QTLとの関連で、連続した切断型選抜下における量的形質の分散の変化量を遺伝効果の無限小モデルに基づいて予測する方法が開発された。プログラムMAPL-QTLを用いてシミュレーションを行い、EMアルゴリズムによる区間地図化法の効率と限界を種々の遺伝モデルの場合について検証した。また数理的解析から、連鎖地図上のQTLの存在の統計的有意性を検定する基準を求めた。量的形質の計測精度を高めるための研究として、穀粒輪郭画像の解析への、楕円フーリエ関数解析法などの応用が検討された。
|