研究分担者 |
二宮 正士 農水省農業環境技術研究所, 環境管理部, 研究室長
高野 泰 東京大学, 農学部, 助手 (40012009)
上村 賢治 東京大学, 農学部, 助教授 (60012043)
武田 元吉 東京大学, 農学部, 教授 (90134501)
斎尾 乾二郎 東京大学, 名誉教授 (80011831)
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研究概要 |
本研究プロジェクトにおいて,DNA多型連鎖地図作成用のコンピュータ・プログラムMAPLが作成され改訂され,QTL(量的形質遺伝子座)の基礎的解法を含むVer.3.0を3月に学会誌上で発表公開された.本プログラムは、F_2、戻し交雑、半数体倍加系統、他殖性植物に適用可能である。また全ゲノム選抜のためのグラフ遺伝子型の作成が可能である。MAPLは、日本における最初のイネDNA多型連鎖地図の作成に利用されたのをはじめ、他の多くの作物で連鎖検出や地図作成に使われている。連鎖地図作成において問題となる形質の誤分類と致死因子の存在について、組換価推定やQTL解析への影響が理論的に解析された。またQTL解析理論の検討により、F2集団においてQTL別に相加効果と優性効果を分けて検出するための理論的方法が提案された。 イネのDNA多型連鎖地図の精密化のために、栽培種Oryza sativaの種内交雑で作成されたDNA多型連鎖地図と米国で野生種を含む種間交雑で作出された連鎖地図との比較統合が試みられた.さらに量的形質についての解析が日印交雑由来後代の固定系統におけるグラフ遺伝子型に基づいて行われ,穂数と稈長に関与する染色体領域が推定された.QTL解析の対象となる量的形質の計測精度向上のための基礎となる研究として、葉形,粒形などの形態形質をとりあげ、画像処理と楕円フーリエ解析によって,遺伝子型間の微妙な差異を主成分分析により抽出することが行われた.ダイズでは、これらの特徴量をさらにダイアレル分析にかけることにより主成分別にその遺伝様式を解明することができた.またイネでは穀粒の形態に関与するQTLを連鎖地図上に位置づけることができた.
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