研究分担者 |
犬伏 芳樹 大塚化学, 技術部, 課長
寺林 敏 京都府立大学, 農学部, 講師 (70155472)
糠谷 明 静岡大学, 農学部, 助教授 (10109134)
篠原 温 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (30015903)
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研究概要 |
まず第一に、初年度に結論の出なかった資料の調整法と分析の条件を統一した。その後、各担当者はそれぞれの研究を行い、次のような成果を得た。 池田:要素欠乏処理がトマトの汁液中無機要素濃度に及ぼす影響について検討した結果、汁液中無機要素濃度は下位よりも上位で低下が速く、NやPでは濃度低下が速いのにKでは遅いなど、要素によって変化の速度が異なった。篠原:汁液分解によるトマトセル成型苗の苗質評価法について検討し、汁液分析が苗の栄養診断および品質評価に利用できることを確認した。糠谷:ロックウール栽培した温室メロンの生育と汁液中無機要素濃度の経時的変化にちいて検討し、NO-_3-N,PおよびKでは施用栽培液濃度の差が葉柄汁液中無機要素濃度の差として現れたが、果実品質との関係は明かではなかった。寺林:トマト果実品質と植物体汁液中無機要素濃度との関係を検討するために、【.encircled1.】施用窒素量(硝酸態窒素濃度)を異にしたところ、汁液中のNO_3-N濃度には違いがみとめられたが、果実品質には違いがみとめられなかった。【.encircled2.】土壌水分状態を異にした(施用量一定)ところ、第3果房成熟期ころになって、水分によるNO_3-N,K,Ca,Mg濃度の差が認められるようになったが、Pでは濃度差が認められなかった。また、果実品質と汁液中無機要素濃度との関係は明瞭ではなかった。【.encircled3.】培養液濃度を異にしてトマトを水耕したところ、果実品質の違いはこれまでの実験同様に認められたが、汁液中無機要素濃度と果実品質との関係では明瞭ではなかった。犬伏:栽培方式の異なる3戸の農家空、定期的にトマト葉柄をサンプリングして汁液中無機要素濃度を調査した結果、PやMgなどでは培養液の濃度変化に判って汁液中の濃度も変化しやすいことがわかった。また、トマトの生育段階別各無機要素の汁液中好適濃度を試算した。
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