研究課題
平成5年度までの2年間で、試料の採取法、保存法、調整法、分析の条件などはおおむねルーチンワークとして基準化できた。また、トマトなどについては、栽培時期や生育段階での変化、品種間差などについても検討を加え、診断の基礎資料を得ることができた。本年度は、冬季に最低気温の影響を検討し、さらに汁液中無機要素濃度の季節間差についても検討した。栽培環境の影響としては、ほかに培養液の無機要素の濃度や欠乏がトマトの生育や汁液中無機要素濃度におよぼす影響、養液栽培の方式が異なる場合のトマトの生育におよぼす用水中の塩類濃度の影響等についても検討した。同時に、実際に栽培を行っている農家の中で成績優秀なものを選定して、1年間にわたって経時的に試料を集め、肥培管理と作物の生育、汁液中の無機要素濃度、果実収量等の関連について調査した。この時、圃場での試料採取位置によるデータのばらつき度合いについても調査したが、培地中の培養液の組成や濃度よりも汁液中の無機要素濃度のほうがばらつき度合いは小さかった。汁液分析による栄養診断技術を苗質の評価や、トマト果実の品質評価に利用することについても検討した。以上の結果に基づいて、診断についてのおおまかな基準を作成した。
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