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1993 年度 実績報告書

アスパラガス株腐病拮抗菌の産生する植物生長促進成分の抽出精製と健苗育成への利用

研究課題

研究課題/領域番号 04556013
研究機関京都大学

研究代表者

岩村 俶  京都大学, 農学部, 教授 (30026570)

研究分担者 平井 伸博  京都大学, 農学部, 助手 (00165151)
吉川 正己  京都府農業総合研究所, 技師
キーワード拮抗菌 / アスパラガス / Pseudomas putida / 植物生長促進 / コハク酸 / 乳酸
研究概要

植物の根圏に、植物に有害な土壌病原菌を抑制する拮抗菌が存在することが知られるようになり、近年この拮抗菌を植物の病害防除に利用しようとする動きがでてきた。その中で、拮抗菌が植物の生長をも促進する事例が報告されている。本研究者らはアスパラガス根圏から単離したPsudomonas putidaの一菌株について、それがポット苗の生長を顕著に促進するとともに、その培養濾液が同じ活性を示すことを前年度までの研究で明らかにした。さらに、培養濾液中の活性成分は酢酸エチルに転溶されることが明らかになり、培養濾液の酢酸エチル可溶成分を取扱と保存の容易な健苗育成剤として利用できることが示された。本年度は、このような成果に基づき活性成分の分画をさらに進め、その本体を明らかにするとともに、その実地ポット試験での効果を明らかにすることを目的とした。
1.酢酸エチル可溶画分の各種カラムクロマトグラフィー:培養濾液を酸性下酢酸エチルで抽出し、抽出物をODSカラムで分画した。強い活性を示した画分から再結晶操作により活性成分の結晶を得、各種スペクトルからそれがコハク酸であることを明らかにした。結晶母液をさらにシリカゲルカラムにより分画し、活性画分のスペクトルデータよりそれが乳酸であることを明らかにした。
2.活性成分の生長促進活性:活性成分として得られたコハク酸と乳酸の活性を、催芽種子を用いたアッセイ法で調べた結果、これら2成分が元の培養濾液および酢酸エチル可溶画分の活性を十二分に再現するものであることがわかった。
3.活性成分のポット試験:活性成分として単離されたコハク酸と乳酸について、実際の育苗と同等のポット試験を温室内で行い、その実用性を検証した。その結果、両有機酸は菌体接種および培養濾液を凌ぐ、対照区比約140%以上の根部の生長促進効果を示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masami Yoshikawa: "Succinic and lactic acids as plant growth promoting compounds produced by rhizospheric Pseudomonas putida." Canadian Journal of Microbiology. 39. 1150-1154 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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