研究課題/領域番号 |
04556020
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 助教授 (60126026)
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研究分担者 |
守谷 孝志 小糸工業株式会社, 機電事業部, 係長
半田 繁 小糸工業株式会社, 機電事業部, 副課長
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キーワード | 蒸発散 / 生態・生理 / 水ストレス / 半乾燥地 / 緑化 / CO_2固定 / 温暖化 / 野外で使用する器機開発 |
研究概要 |
本年度は最終年度にあたるので、実用化試験を中心に研究をすすめた。 当初計画では、海外での研究プロジェクト(アラブ首長国連邦)において実用化試験を行う予定であったが、時間と経費的な制約から静岡県小笠郡浜岡町にある静岡大学農学部付属乾燥地農業実験実習施設内のガラス温室において試験を行った。材料として半乾燥地で一般的に耕作されている、ソルガム(Sorghum bicolor Moench)を用いた。ソルガムを1/2000aのワグネルポットに植栽し、約30日間育てた。土壌は2mmのふるいにかけた微砂土壌(砂土)を使用し、18kgをワグネルポットに充填した。測定装置として、(1)ワグネルポットの地表面からの蒸発速度は蒸発散測定システム、(2)光合成速度は携帯用光合成蒸散測定装置、(3)蒸散速度はスパーポロメーター、(4)葉の水ストレスはDEW POINT MICROVOLTMETER等、(5)土壌含水比はヒートプローブ方式の土壌水分計をそれぞれ用いた。測定は8月4日から12月14日までのべ50日間行った。 計測例の結果および考察 実験中は気温45℃以上で相対湿度25%となった。現地で予想される砂塵等の問題を除けば半乾燥地の気温および湿度環境と同等であると考えられる。このような気象条件でも測定システムは正常に機能することが確かめられた。地表面からの蒸発速度の最大値は1.1mmであった。なおアラブ首長国連邦の自由水面における蒸発速度は9月中旬でおよそ0.7mm、12月下旬でおよそ0.4mmが記録されている。したがって測定能力も十分余裕があると考えられる。以上のように、実験室内外における本システムの性能特性試験結果から半乾燥地における地表面蒸発に関するデータ収集が可能であるとの見通しを得た。現地での測定に際してはまだ未知の部分も多い。更に機会を待って実施していきたいと考えている。
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