研究課題/領域番号 |
04556023
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
棚橋 光彦 岐阜大学, 農学部, 教授 (80093269)
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研究分担者 |
大田 親義 (株)日阪製作所, 企画室, 室長
則元 京 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (20027163)
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キーワード | 高圧水蒸気 / 圧縮成形加工 / 固定 / 間伐材 / 角材 / 軟化 / 表面硬度 / 実用化 |
研究概要 |
はじめに直径20cm、長さ30cmの木材が処理できるプレス機を備えた小型圧力容器による水蒸気処理条件及び圧縮条件の検討を行い、樹種、木材の形状、含水率、圧縮率等の相違による水蒸気の温度及び処理時間を検討した。2×2×3cmの小試験片では150℃の水蒸気で2分間の軟化処理の後、約50%に圧縮し、200℃に水蒸気圧をあげて2分間固定処理を行う事により変形が完全に固定された。軟化および固定に要する時間は材の軸方向の長さが長くなるに連れて、また含水率が高くなるにしたがって長くする必要があり、30cmの材では処理時間が20-30分必要である。また、種々の方式の圧縮成形用治具を開発し、曲げ加工や、曲面成形、等の種々の形状の加工法の開発を行った。更に圧縮木材の材料評価を行ったが、丸太を角材に成形する際、平均で約1.5倍程度の圧縮により、表面硬度は2倍から5倍に硬くなった。走査型電子顕徴鏡による圧縮材各断面の細胞形態の観察とX線による木材の密度分布や圧縮及び水蒸気処理における木材の内部破壊の観察を行い、処理条件を検討した。圧縮によって細胞壁は破壊する事なくなめらかに変形し、強く圧縮されているところでは内腔が完全になくなるまで変形されていた。またX線撮影による内部の観察によっても大きな破壊はみられず、節の観察されるところでも破壊はみられず、節は内部に強く圧入されていた。小型の装置により、処理温度、時間、プレス圧等が明らかになった事から、実寸大の木材を処理できる大型の装置の設計を行い、高圧水蒸気木材圧縮加工装置を試作した。本装置は長さ2m、直径20cmの丸太を角材に成形できる、処理条件の検討に時間がかかった事、角材への成形方法を色々検討し、改良を加えて実験を行ったため、大型の装置の試作が遅れ、3月から試運転を始めたばかりである。次年度ではこの装置を用いて実用化に向けて処理方法の確立と、処理木材の物性評価を行う予定である。
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