| 研究課題/領域番号 |
04556023
|
|---|
| 研究機関 | 岐阜大学 |
|---|
研究代表者 |
棚橋 光彦 岐阜大学, 農学部, 教授 (80093269)
|
|---|
| 研究分担者 |
大田 親義 (株)日阪製作所, 企画室, 室長
則元 京 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (20027163)
|
|---|
| キーワード | 高圧水蒸気 / 圧縮成形加工 / 形状記憶 / 固定 / 塑性変形 / 間伐材 / 角材 / 木材の改質 |
|---|
| 研究概要 |
昨年度の終わりに大型の圧縮成形装置が導入され、試運転が開始されたが、本年度より、直径約14〜18cm、長さ2mのスギ間伐材丸太を用いて高圧水蒸気処理による11cm角の柱材への圧縮成形加工時の処理条件の検討を行った。本年度購入した測定装置を用いて、水蒸気処理や圧縮成形時に於ける木材内部の温度及び応力の変化を経時的に測定することにより木材内部温度の上昇過程や圧縮に要するプレス圧及び水蒸気処理による内部応力の緩和過程の分析を行った。この研究により、形状固定に必要な処理温度、処理時間、及び成形に必要なプレス圧等が明かとなり、丸太から圧縮成形による角材製造時の処理条件を決定することが出来た。また圧縮成形された角材の乾燥速度を生材丸太と比較するとともに角材内部の水分の分布や乾燥割れの発生状況などについて測定した。さらに成形された角材の各部位から試験片を切り出し、乾燥・吸水の繰り返し試験及び煮沸処理を施し、形状の固定化率を求めた。また2mの成形角材をそのまま室外で風雨にさらし、耐候試験を行った。これらの結果を元にして直径16cm、長さ2mの間伐材丸太から圧縮成形による角材製造時における実用規模での処理条件についても検討した。水蒸気処理による圧縮成形木材の実用化に向けて、間伐材丸太から種々の形状の柱材を製造したり、ロッグハウス用として6角に組み合わせ用の雄雌の加工を施したものや太鼓引きした丸太を一方向に圧縮して立体トラス用部材の加工等を行った。圧縮材の乾燥・吸水性、薬剤の浸透性、吸放湿特性などを測定するとともに、表面硬度やヤング率、曲げ強度、色調等について検討した。さらに木材を種々の形状の治具でプレスすることによる木材表面の加飾性などについて検討した。これらの圧縮成形木材を用いた実用的な建築物として、豊橋サイエンスコア前にスギ間伐材で作られた立体トラス構造のバス待合所が完成した。現在この屋外建築物による圧縮材の塗装性、耐候性を試験している。
|
