研究課題
本年度行った研究成果を要約すると以下の通りである:1.単板にミニフィンガーを切るには専用の刃物の開発が必要であるが、単板数十枚を束にして、通常のフィンガーカッターで切削することもまた、無欠点単板については有効である。自動送り付き縦継ぎ装置を試作し、単板のフィンガージョイント実験を行った結果、高周波加熱式よりも熱板加熱式の方が実用性が高いと考えられた。2.イソシアネート系接着剤の高周波特性には問題がなかった。3.高圧水蒸気を側面から噴射するタイプの新型蒸気噴射式連続プレスを用い、平板LVLを製造した。その際、一層毎に波型の単板を挿入すると、極めて均一な加熱が行われ、厚さに無関係に高速生産が可能であった。この方法を曲面LVLに適用する方法を検討中である。4.長さ1mの治具を用いて加熱成形した6分の1円筒シェルを用いて、フィンガージョイントにより長さ5.4m、外径30cm、肉厚3.5cmのLVL円筒を作り、曲げ性能が調べたところ、同寸法の硬質塩ビのパイプに比べて、重さが約2.5分の1、曲げ剛性は約2倍であった。このことから、円筒LVLの柱としての挫屈強高は非常に優れていることが明らかとなった。5.高周波プレス内に連続的に木製治具を通過させ、連続的にLVLを製造する原理を開発する目的で、縞状の特殊な電極を考案し、これを用いて、6分の1円筒型の成形LVLを製造した結果、極めて効率良く、成形できる見通しが立った。
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