研究課題/領域番号 |
04556031
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
佐藤 晃三 岩手大学, 農学部, 教授 (20003741)
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研究分担者 |
倉島 栄一 岩手大学, 農学部, 助手 (30178082)
山梨 光訓 専修大学北海道短期大学, 土木科, 教授 (10099111)
加藤 徹 宮城県農業短期大学, 農業土木科, 助教授 (70070224)
桜田 純司 北海道大学, 農学部, 講師 (80001460)
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キーワード | 融雪モデル / 熱収支 / 積雪密度 / 積雪深 / 融雪係数 / 融雪量 / 融雪流出 |
研究概要 |
1.先に導いた熱収支融雪モデルを、平成4年度において、降水形態判別、積雪深、積雪水量、アルベドの推定機構を加えた熱収支積雪・融雪モデルに拡張し、融雪流出解析に適用できるようにした。 平成5年度は、これらの一連の検討を総合化する意味で、釜淵1号沢(山形県)、高坂ダム(山形県)、刀利ダム(富山県)の気象観測地点で熱収支積雪・融雪モデルを適用し、またそれらの流域を対象として流域融雪量の算定と、タンクモデル法による融雪流出解析を行った。 熱収支積雪・融雪モデルは3地点で良好な結果がえられ、モデルの汎用性が確認された。また本モデルを用いた融雪流出解析の結果は、タンクモデルの融雪計算法によるものと比較して良好であった。 2.融雪流出解析では、対象流域の大部分を占める林地の融雪機構の把握が重要であるが、森林が融雪に与える影響を気象要素と関連づけて検討した例は少ない。そこで、平成4年度から林地内の融雪機構に関する現地試験を開始し、現在も観測を実施中である。今迄の観測結果によれば、林地内の気温、湿度は付近の開地とほとんど変わらないが、風速、放射量については林地で少なく、開地との差は大きい。その結果として林地内の融雪量は開地の約30〜40%であった。 3.融雪流出解析の精度を向上させるには、流域降水量のより正確な推定が重要である。この問題を、栗駒ダム(宮城県)、大夕張ダム(北海道)等の流域を対象として、降水割増し率の面から検討中である。 4.北海道地内に設定した試験流域、試験圃場における融雪・流出試験については、平成4年度に引続いて継続中である。
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