研究課題/領域番号 |
04556037
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村田 敏 九州大学, 農学部, 教授 (30038187)
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研究分担者 |
中司 敬 九州大学, 農学部, 助教授 (50128055)
河野 俊夫 九州大学, 農学部, 助手 (60224812)
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キーワード | 騒音 / 位相反転 / 消音 / 乾燥 / 乾燥機 / 乾燥施設 / デシベル / 農産施設 |
研究概要 |
本年度は平成4年度に試作した位相反転型消音装置を使ってActive Noize Controlの試験を行った。まず、装置に内蔵するジェネレータによって正弦波を発生させ、これをスピーカ1を音源としてノイズメータによって収録し記録した。ノイズメータに記録された音量はSP1と同じであった。次に反転回路を通して発生させた音をスピーカ2を音源とし、スピーカ1と同時にノイズメータで記録した結果は、図1に示すように0に近い音量を示し、音の干渉消音は成功した。しかし、次に農場において、ノイズを拾いながら逆位相音を発生させた結果は、消音効果が出ず、スピーカとノイズメータの位置についてさまざまな検討を行った。次に乾燥機のノイズをデータレコーダに記録してパワースペクトルを求めた。0〜2000Hzの可聴域に激しい起伏を持ったスペクトルが得られた。マイクは騒音源の主たるファン近くにおきその逆位相をスピーカによって発生させ、ノイズメータによって音圧を拾い記録した。この結果の一つを図2に示す。かえって音圧の大きくなる傾向を生じる場合があった。次に、この原因の究明のために、乾燥機の騒音データをデータレコーダに記録して、SP1とSP2からそれぞれ正と反転の2騒音を発生させて消音試験を行った。その結果、2つのスピーカの位置関係とノイズメータの位置によって消音効果に差のあることがわかった。結局、逆位相音波は音源と別の位置から発生させたのでは、周波数によって逆位相と干渉しない周波数があり、またスピーカは3次元的な逆位相音を発生させるのが困難なことに由来するものと思われる。詳細な極めて多くのデータを収録したが、消音という意味では十分に成功しなかった。しかし、原理的には可能なので、逆位相スピーカと騒音源の位置関係を工夫して、成功に導く積もりである。とくに大型の騒音源を有する大型乾燥施設においては可能性が高いと考える。
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