研究課題/領域番号 |
04557002
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
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研究分担者 |
和中 明生 大阪大学, 医学部, 講師 (90210989)
塩坂 貞夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (90127233)
木山 博資 大阪大学, 医学部, 助教授 (00192021)
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キーワード | 遺伝子導入 / HVJ-リポゾーム / 二本鎖DNAプローブ / 核移行シグナル / HMG1 / SV40T抗原 / DNA結合蛋白 / 発現抑制 |
研究概要 |
本年度の研究計画は(1)DNA結合タンパク質可視化の手技の確立、と(2)転写因子結合阻害のためのプローブの開発であった。 (1)DNA結合タンパク質可視化の手技の確立。 AP1やGRE、CREなどのコンセンサス配列を有する約30ベースペアーの2本鎖DNAフラグメントをプローブとして、組織上でそれらに結合するDNA結合タンパク質を可視化する方法の確立を目指している。現在、組織の固定法、組織の前処理、結合条件などの条件設定を継続中である。組織の固定は組織の保持を良くするため多少の固定は行った方がよいが、固定が強くなるとプローブ:タンパク質の結合活性を低下させる。従って、非常に弱いパラフォルム固定が良いようである。現在まで海馬など一部の脳内領域で陽性反応がえられているが、感度の向上が課題である。感度の向上を計るため、各種前処理や結合緩衝液の組成をさらに検討し、バックグランドの低下を目指している。 (2)転写因子結合阻害のためのプローブの開発。 ある特定の転写因子が結合すると考えられる塩基配列を有する二本鎖DNA断片を、効率良く核内に導入することが必要である。このためDNA断片の細胞外より細胞内への移行と、細胞質内より核への移行の二点の効率を向上させることが重要である。細胞外より細胞内への移行には現在センダイウイルス(HVJ)リポゾーム法を用いている。この方法はlacZ遺伝子を指標にした実験系で最も効率の良かった方法である。また効率の良い核内へのDNA断片移行のためには核内移行シグナルを有するペプタイドやタンパク質を吸着させたりコバレントに結合させたりして効率化を図っている。現在検討している核内移行シグナルはSV40のT抗原の約30アミノ酸よりなるペプタイドをDNA断片に結合させるものと、non-histone chromosomal protein high mobility group l(HMG1)にDNAを吸着させたものを試みている。
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