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1993 年度 実績報告書

酵素免疫測定法を用いた肝機能検査法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04557016
研究機関熊本大学

研究代表者

森 正敬  熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)

研究分担者 田代 秀敏  (株)国際試薬, 研究開発部, 研究員
渡津 吉史  (株)国際試薬, 研究開発部, 課長
藤山 重俊  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20109656)
滝口 正樹  熊本大学, 医学部, 助教授 (40179578)
キーワード肝障害マーカー / オルニチントランスカルバミラーゼ / 酵素免疫測定法 / ELISA法 / トランスアミナーゼ / 尿素サイクル / カルバミリン酸合成酵素
研究概要

オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)は肝臓に特異的に存在し、肝障害時に漏出するため肝障害の指標として理想的であるものの、活性測定が煩雑で長時間を要するため、これまで日常検査にはほとんど用いられていない。そこでOTCに対する高力価の特異抗体を作成し、これを用いてOTCの酵素免疫測定法(ELISA法)を開発した。そして健常人および各種肝疾患患者の血清OTC抗原量を測定し、臨床応用の可能性を検討した。健常人443名(男性224名、女性219名)および慢性非活動性肝炎27例、慢性活動性肝炎26例、肝硬変27例、肝細胞癌27例の血清OTC抗原量を測定し、肝組織像やトランスアミナーゼの推移などと比較検討した。健常人の血清OTC値は男性、女性とも加令と共に上昇する傾向を示し、男性が女性より高値であった。これらの成績の棄却検定より血清OTCのカットオフ値を20ng/mlとした場合、慢性非活動性肝炎で78%、慢性活動性肝炎で88%、肝硬変で89%、肝細胞癌で96%が陽性であった。本ELISA法による血清OTCの測定は、従来の活性測定に比べてより高感度で正確かつ簡便であり、臨床応用が可能であることが示唆された。OTC/アラニントランスアミナーゼ(ALT)比をとると、慢性肝炎に比べて肝硬変で有意に高く、肝細胞癌ではさらに有意に高値を示した。したがって、OTC/ALT比は肝疾患の鑑別診断に有用である可能性が示された。もう一つの尿素サイクル酵素でやはり肝特異性の高いカルバミルリン酸合成酵素(CPS)に対する特異抗体を調製し、高感度のELISA法を開発した。CPSの肝臓での含量はOTCの10倍以上あるにもかかわらず、血清OTCが高値を示す肝疾患でもCPSタンパク質はほとんど検出されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Matsuno,F.,et al.: "A novel ornithine transcarbamylase present in mycoplasma-infected myeloma cells" Enzyme & Protein. 47. 57-64 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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