研究課題/領域番号 |
04557019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
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研究分担者 |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 助教授 (40004642)
秋山 徹 大阪大学, 微生物研究所, 助教授 (70150745)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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キーワード | erbB-2 / 受容体 / 膀胱癌 / 乳癌 / 血清診断 / 受容体 / 癌胎児性蛋白 |
研究概要 |
1.乳癌におけるc-erbB-2の診断上の有用性についての検討。 国立がんセンター、民間企業ニチレイ、栄研とともに、外科、病院検査部を中心とする研究グループを組織し、乳癌診断、および病状のモニターに際しての血清erbB-2価測定の有用性について検討中である。すでに2回会合を開き、約200例の乳癌症例についての結果を得ている。現在結果の解析が進行しており、1993年秋にこのまとめの論文を発刊することを予定している。 2.erbB-2リガンドの決定。 erbB-2は受容体型細胞膜蛋白であり、特定のリガンドと結合して機能することが予想されている。このリガンドの同定を進め、ステロイドホルモンE2(17b-estradiol)がerbB-2蛋白に直接結合してそのキナーゼ活性を高進させること、また、erbB-2発現NIH3T3細胞をE2処理することにより、細胞表面からerbB-2蛋白がダウンレギユレートすることや、この細胞がトランスホーム細胞のように形態変化をおこすことを見いだした。これらの知見に立脚して、修飾E2を利用してerbB-2過剰発現癌細胞の増殖を選択的に抑性する方法を検討している。 3.膀胱癌における臨床病理学的検討 以前から我々はerbB-2蛋白が、乳癌のみならず膀胱癌においても高頻度に発現高進を示すことを報告してきたが、本年度は多数症例をもとにして、その発現高進と患者の臨床経過との相関をもとめ、両者がよく相関すること、従ってerbB-2が膀胱癌の有力な予後因子として使用できることをしめした。
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