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1992 年度 実績報告書

生体内超微量元素の動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04557028
研究機関北海道大学

研究代表者

斎藤 和雄  北海道大学, 医学部, 教授 (80000917)

研究分担者 細川 敏幸  北海道大学, 医学部, 助手 (00157025)
斎藤 健  北海道大学, 医学部, 助手 (40153811)
神山 昭男  北海道大学, 医学部, 講師 (90215202)
キーワード微量元素 / ICP-MS / aging / 血液 / 脳 / 成人病 / ストレス
研究概要

本研究では、近年開発された誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いて同時多超微量元素分析を行い、これまで測定不能あるいは困難であった種々の微量元素の生体内分布および動態を明らかにし、他の微量元素や関連酵素等の動態と比較検討することにより、それらの生物学的意味を追求し、さらに癌、心臓病、高血圧等の病態との関係、有害作業従事者、ストレスと微量元素との関係、各種疾病の早期発見指標としての意義などについて検討する。
本年度は、生体内超微量元素の動態を明らかにするための第一段階として、ICP-MSによる超微量元素測定のための試料の前処理方法および多種類元素の同時測定方法を確立し、その方法を用いて、正常健人の脳内および血中超微量元素の正常値を検討した。
得られた成績をまとめると次のごとくである。
1)ICP-MSはpptレベルの感度を有するため、従来原子吸光用に使用している硝酸・過塩素酸などの酸類、脱塩ガラス器具などからのコンタミが検出されたので、試薬、器具および灰化方法を検討した。その結果、(1)器具はポリエチレン系のプラスチック容器を使用し、湿式灰化はテフロン性の加熱分解容器を用いて、高純度硝酸で行う方法が最適であることが明らかになった。(2)この灰化方法は液体試料だけでなく、固形組織の灰化にも有効であった。(3)得られた灰化試料に超純水あるいは希釈酸を加えることにより、10種類以上の多種元素同時分析が可能となった。(4)検量線は、試料の粘度、マトリックスの影響を軽減できる標準添加法が有効であった。
2)上述の方法を用いて、事故死した10代〜60代までの人の脳内超微量元素濃度を検討した。その結果、(1)スズ、カドミウムは、加齢により濃度が増加した。(2)反対にルビジウムは加齢に伴って低下することが明らかになった。
成人の血液中超微量元素濃度に関しては、現在、試料の収集および分析を行っているところである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 斎藤 和雄: "加齢によるヒト脳内微量元素の変動" Biomedical Research on Trace Elements. 3. 237-238 (1992)

  • [文献書誌] 伊藤 俊弘: "拘束ストレス負荷によるラット脳海馬の亜鉛の動態に関する研究" Biomedical Research on Trace Elements. 3. 169-170 (1992)

  • [文献書誌] 藤村 森広: "拘束ストレスによるラット脳各部位の微量元素の変動" Biomedical Research on Trace Elements. 3. 171-172 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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