研究課題/領域番号 |
04557034
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
中村 幸夫 理化学研究所, 造血制御研究チーム, 研究員 (60231479)
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研究分担者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系・免疫学, 教授 (40175485)
広近 玲 理化学研究所, 造血制御研究チーム, 研究員 (90260223)
徳元 康人 理化学研究所, 造血制御研究チーム, 研究員
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キーワード | 骨髄移植 / 免疫寛容 / clonal deletion / clonal anergy / 骨髄キメラ |
研究概要 |
未分化な血液幹細胞はG_0期にある細胞が多く、レトロウイルスによる効率の良い遺伝子導入が難しい原因の一つとなっている。そこで本年度は純化した血液幹細胞を種々のサイトカインの存在下で培養し、その間にレトロウイルスを感染させることによって導入効率を挙げることができるかどうかを検討した。未分化な血液幹細胞に対する導入効率を調べる方法として、ネオマイシン耐性遺伝子を導入遺伝子として用い、レトロウイルスと共培養した細胞をネオマイシンを含んだメチルセルロース培地で培養してHPP-CFU(High Proliferation Potential Colony Forming Unit)アッセイを行った。種々のサイトカインの組み合わせで実験を繰り返した結果、SCF、IL-1、IL-6、あるいは以上の組み合せにさらにLIFを含んだ培地で24時間培養すると、未分化な血液幹細胞の数は約半分に減少するが、残ったものの約1/3にネオマイシン耐性遺伝子が導入されていた。このようにサイトカインの存在下で血液幹細胞をin vitroで短期間培養することによりレトロウイルス取り込みの確率を上げることが可能であることを示すことができた。今年度確立した未分化な血液幹細胞に対する遺伝子導入効率を見る系を用い、今後さらに培養法を改善ずることにより導入効率を上げることを試み、HPP-CFUアッセイだけでなく、遺伝子導入された細胞の長期骨髄再建能についても検討していく予定である。
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