研究課題/領域番号 |
04557034
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
谷 憲三郎 東京大学, 医科学研究所, 講師 (00183864)
徳元 康人 筑波大学, 基礎医学系, 助手 (70261170)
中村 幸夫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60231479)
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キーワード | 造血幹細胞 / CD34 / 多能性 / 自己複製能 / c-kit |
研究概要 |
体細胞遺伝子治療の重要な標的細胞である造血幹細胞の純化の方法をFACSによる4重染色とソーティングと長期骨髄再建能を調べるアッセイ系を組み合わせることによってさらに洗練された。これまで最も純度の高い造血幹細胞を含む細胞集団として考えられていたc-Kit陽性Sca-1陽性Lin陰性細胞をマウスCD34抗体でさらに陽性と陰性の分画にわけると、従来行われてきたin vivoとin vitroのコロニーアッセイであるCFU-SとCFU-CはCD34陽性分画中にあるが、長期骨髄再建能はCD34陰性分画中の細胞が持っていることが明らかになった。この結果は、これまで造血幹細胞の指標として用いられてきたCFU-SやCFU-Cといったアッセイが必ずしも自己複製能と多能性を兼ね備えた本当の意味での造血幹細胞を検知するものでないことを示す。c-Kit陽性Sca-1陽性Lin陰性CD34陽性のフェノタイプを持つ細胞は骨髄単核球中の0.007%を占めるに過ぎないが、わずか1個の細胞を致死量放射線照射したマウスの骨髄を3カ月以上にわたって再建できることが示され、幹細胞の自己複製と多能性および遺伝子治療の標的細胞として理想的であることが確実に証明された。また並行して行ったin vitro実験でこれらの細胞がストローマ上で、ある程度自己複製できることも証明されたことから、遺伝子導入の上で有用な造血幹細胞の培養系が確立されつつある。
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