研究分担者 |
石原 傳幸 国立療養所東埼玉病院, 副院長
春原 経彦 国立精神, 神経センター・神経研究所, 併任研究員
林 由起子 国立精神, 神経センター・神経研究所, 流動研究員
塚原 俊文 国立精神, 神経センター・神経研究所, 研究員
石浦 章一 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授
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研究概要 |
本研究計画は筋ジストロフィーの分子遺伝学的診断法の確立と発症予防を目標として計画されたものであるが、平成4年度は国立精神・神経センター神経研究所を中心として依頼された検査材料について、ジストロフィンの遺伝子解析,イムノブロット解析,および免疫組織化学的解析を実施し、診断システムのデータバンク作成に寄与した。本年度の検査依頼件数は、免疫組織化学98件,イムノブロット85件,遺伝子解析145件であった。またこれらの診断結果は、Duchenne型筋ジストロフィー145件,Becker型筋ジストロフィー115件,Duchenneキャリアー13件,Beckerキャリアー1件,その他の筋疾患154件であった。さらに常染色体優性遺伝形式をとり極めて浸透力の高い顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)の遺伝子診断も実施された。これらの成果は、DMD/BMD,FSHD患者とそれらの保因者診断が迅速かつ適切に実施された。 実際には、1.DMD/BMD,FSHD筋ジストロフィー患者・家族について、臨床医学的調査を実施し、2.Multiplex-PCR/CAリピート多型解析のための、DNAテンプレートを末梢血リンパ球,若しくは生検筋標本よりフェノール/クロロフォルム抽出・エタノール沈澱,RNase処理法により調製した。さらに、特異的オリゴヌクレオチドプライマーも調製した。また、3.脳型プロモーターの解析による、精神・神経発達遅滞者のスクリーニングを実施し、さらに4.ヒト第4染色体の遺伝子ライブラリーより得られた、FSHDのマーカー遺伝子を用いてその遺伝子解析と遺伝相談を行った。
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