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1993 年度 研究成果報告書概要

強心薬の酸素浪費効果の新しい評価法の開発:機械的エネルギー産生および陽性変力作用のエネルギーコストの定量

研究課題

研究課題/領域番号 04557041
研究種目

試験研究(B)

配分区分補助金
研究分野 循環器内科学
研究機関岡山大学

研究代表者

菅 弘之  岡山大学, 医学部, 教授 (90014117)

研究分担者 高木 都  岡山大学, 医学部, 助手 (00033358)
研究期間 (年度) 1992 – 1993
キーワードEmax / PVA / 左心室 / 酸素消費量 / 強心薬 / ピモベンダン / ペントバルビタール
研究概要

本研究代表者は一連の基礎生理学的研究において心臓の収縮性の指標としてEmax(最大エラスタンス)と心臓の収縮に伴って発生する機械的エネルギーを定量する指標としてPVAを提案、確立し、さらに、PVAが、一拍毎の動静脈酸素濃度較差と冠灌流量との積である酸素消費量(Vo_2)と良好な直線関係を持つことを示してきた。初年度は、それらを利用し、カルシウム感受性の増強作用を有する強心薬ピモベンダンのEmax,PVA,Vo_2に対する効果を正常心で検討した。次年度は、不全心に対する強心薬の作用を検討するために不全心モデル形成の研究を行った。実験は、二頭のイヌを用い血液交差灌流摘出心臓標本を作製し、まず心室容積をかえながら等容積収縮を行わせて、左心室容積と左心室圧を測定し、コントロールのEmax,PVA,Vo_2を測定した。そして、Vo_2-PVA関係をしらべると、良好な直線関係を示した。この勾配の逆数は、PVA-依存性のVo_2を全機械エネルギーに変換する収縮効率を表す。またPVA=0の時のVo_2はPVAに依存しないVo_2(=興奮収縮連関に要するエネルギー)を表す。これら、すべてのパラメータは従来の結果と同様な値が得られた。ついで、ピモベンダンペン又はバルビタールの濃度を次第にあげながら冠注すると、Emaxは有意に増加、減少し、Vo_2-PVA関係の勾配は変わらずに上方、下方にシフトした。すなわち、収縮効率は変わらず、PVAに依存しないVo_2(=興奮収縮連関に要するエネルギー)のみ増加、減少を示した。また、PVAに依存しないVo_2とEmaxの関係も直線になり、その勾配は、収縮性の酸素コストをあらわすが、カルシウムと同様であった。従って、ピモベンダンペンとペントバルビタールは収縮効率および収縮性の酸素コストを変えることなく収縮性の指標Emaxを増加、減少させた。今後は、不全心モデルを使って他の強心薬の効果を検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T Namba,M Takaki,J Araki,K Ishioka,H Suga: "Energetics of the negative and positive inotropism of pentobarbitone sodium in the canine left ventricle" Cardiovascular Research. 28. 557-565 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] M Takaki,T Namba,J Araki,K Ishioka,H Ito,T Akashi,LY Zhao,DD Zhao,M Liu,W Fujii,H Suga: "(How to measure cardiac energy expenditure)In Ischemia-reperfusion in cardiac surgery" Kluwer Academic Publishers, 448 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Taketoshi Namba, Miyako Takaki, Junichi Araki, Kazunari Ishioka, Hiroyuki Suga: "Energetics of the negative and positive inotropism of pentobarbitone sodium in the canine left vantricle" Cardiovascular Research. 28. 557-565 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Miyako Takaki, Taketoshi Namba, Junichi Araki, Kazunori Ishioka, Haruo Ito, Takuji Akashi, Ling Yun Zhao, Dan Dan Zhao, Miao Liu, Wakako Fujii, Hiroyuki Suga: "How to measure cardiac energy expenditure" Ischemia-reperfusion in cardiac surgery. 403-419 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1995-03-27  

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