研究分担者 |
二宮 鎮男 アロカ(株), 第三技術部, 部長
深田 英利 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20211518)
平林 浩一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80240894)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30145049)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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研究概要 |
本研究では超音波エネルギーが薬剤による血栓溶解を増強する可能性があることに注目し,冠動脈内血栓に応用しうるカテーテル型超音波振動装置を開発しその臨床応用の可能性を検討することを目的とした。ハード面では,超音波振動装置(アロカ社SONOPSUS-501)でステンレス製flexibleホーンをホーン先端での音響エネルギーが血栓溶解増強に必要と考えられるレベル(2mW/cm^2)になるように振動させた時に発する高熱を冷却するためのシース内冷却水閉鎖潅流回路の開発を行った。これにより推定2mW/cm^2のエネルギーを出して10分程度振動させてもシース・ホーンの温度上昇は1℃以内にとどまった。In vivo実験では,まずイヌ大腿動脈に局所的に血栓を作成する方法を確立した。すなわちバルーンカテーテルで内膜を擦過し,その近位部で血管を1時間結索して血栓を作成した。血栓形成部位の下流に電磁流量計を装着し,血流量が0であることを確認したのち高濃度のt-PAを投与し,血栓の溶解とともに血流が回復することを確認した。一部のイヌでは,両側大腿動脈に血栓を作成して完全閉塞させた後,t-PA投与下に一側にホーンを挿入,ホーン先端近傍での音圧エネルギーを推定2mW/cm^2で約10分間振動させると,対照側に比べ早期に血流が再開することを確認した。現在,どの様な音圧エネルギーをどの程度の時間加えるのが最も効率よく血栓溶解増強効果を発揮するのかについてデータを収集しているところである。
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