研究課題/領域番号 |
04557049
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤林 康久 京都大学, 薬学部, 助教授 (50165411)
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研究分担者 |
吉川 惇一 日本メジフィジックス株式会社, 研究所長
阪原 晴海 京都大学, 医学部, 講師 (10187031)
ホリウチ カズコ (スズキ カズコ) 京都大学, 薬学部, 助手 (50144382)
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キーワード | ラジオイムノアッセイ / 高感度 / 金属標識 / ガリウム-67 / ジゴキシン |
研究概要 |
ラジオイムノアッセイにおいて用いられる標識体にはタンパクのような高分子のみならず薬物などの低分子が用いられることも多い。高感度化への試みにおいてはこのような条件にも適合する標識法の確立が望まれる。そこで本年度は金属放射性核種による低分子薬物標識法の確立とその評価を計画した。薬物として強心配糖体であるジゴキシンを選択し構造-活性相関を考慮してもっとも影響の少ない末端糖鎖部分に金属結合部位であるデスフェリオキサミンを導入した誘導体を合成した。得られたジゴキシン誘導体はジゴキシン1分子あたりデスフェリオキサミン2分子が結合されたものであり、ガリウム-67に対して強い結合能を有し効率よい標識が可能であった。得られたガリウム-67標識ジゴキシン誘導体は抗ジゴキシン抗体に対して十分な抗原性を保持しており検量線についても良好な直線性を示すラジオイムノアッセイ系であることが明らかとなった。さらに、得られたガリウム-67標識ジゴキシン誘導体はジゴキシン結合タンパクであるNa,K-ATPaseに対して母体化合物であるジゴキシンと同等の結合親和性を有し、心筋Na,K-ATPaseへの結合を指標とする核医学診断薬剤としての基本的性質を有することが示された。本研究で開発された糖鎖への金属結合部位導入法は多くの配糖体薬物あるいは糖タンパクの標識にも適用可能であり今後の広範な研究展開に期待がもたれる。
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