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1993 年度 実績報告書

バイオメカニクスを設計概念に組み込んだ易分解性高機能医用弾性接着剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04557055
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

松田 武久  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)

研究分担者 伊藤 哲郎  三洋化成, (株)中央研究所, 主任研究員
三輪 裕通  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, レジデント研究生
菅原 隆  国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (70235860)
高市 成子  国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (00093930)
中山 泰秀  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (50250262)
キーワード易分解性 / 接着剤
研究概要

本研究は新しい医用弾性接着剤の開発を目的とする。1983年に基礎的開発研究を着手し、医用弾性接着剤としての実用化研究を行なってきた結果、次のような基本性能を有する合成弾性接着剤を開発するに至った。(1)生体内で数分以内に硬化する速度、(2)生体軟組織との力学的適合性、(3)硬化物は弾性体であり、対拍動性を有する接着安定性、(4)対組織反応性に優れている。新しく開発中の合成接着剤は臨床で使用されている止血剤(フィブリン糊、アロンアルファ)の性能を大幅に凌駕する性能を有し、極めて止血が難しい動脈系に応用できるよう設計されている。新しい概念と設計原理を組み込んだ合成接着剤であるが、生体内分解性が遅いことが実用化に関して最大の問題になっている。
本研究では、接着剤の分子内に水によって加水分解され易い結合基を導入し、これによって1ケ月以内に生体内で分解・吸収する接着剤を開発し、臨床応用可能な医用弾性接着剤を開発する。具体的には
(1)易分解性親水性ポリオールの設計
生体内で数週間以内に分解・吸収される接着剤として主成分のポリエチレングリコール主鎖の中にエステル結合及びカルボニル結合を隣接基に有するエステルを導入した。これによって、加水分解時間の制御を行なった。
(2)易分解性ウレタンプレポリマーの分子設計
上記で合成した易分解性ポリオールと非発癌性(Amesテスト及び動物評価)が検証されている弗素化ジイソシアネートを反応させ、液状の反応性ウレタンプレポリマーを合成した。
(3)In Vitro性能評価
上記の合成接着剤の硬化速度、硬化物の力学的性質、加水分解性を評価screeeningした。
(4)動物評価実験
犬腹部大動脈の切断・接合実験を3点支持で行ない、接着性能及び接着強度実験を行なった。生体分解性をラットを用いて皮下及び腹部の分解性をしらべ、ほぼ設計した通りの機能が発現したことを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高塚旨寛,松田武久: "人工接着性蛋白質の細胞接着能" 人工臓器. 22. 412-416 (1993)

  • [文献書誌] M.J.MOGHADDAM AND T.MATSUDA: "MOLECULAR DESIGN OF THREE-DIMENSIONAL ARTIFICIAL EXTRACELLULAR MATRIX:PHOTOSEMSITIVE YMERA CONTAINING CELL ADHESYVE PEPTIDE" JOURNAL OF POLYMER SCIENCE CHEM.ED.A31. 1589-1597 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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