研究課題/領域番号 |
04557057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 紘一 京都大学, 医学部, 講師 (20115877)
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研究分担者 |
石崎 寛治 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (70111987)
本田 和男 京都大学, 医学部, 助手 (00209321)
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キーワード | 部分肝移植 / 肝再生 / 移植肝機能評価 / 穿刺吸引細胞診 / RT-PCR |
研究概要 |
生体部分肝移植術後のルチーン検査として実施することを目標とし、経皮穿刺吸引細胞診の手法で採取される少数の肝細胞内メッセンジャーRNA(mRNA)定量法の開発に着手した。 開腹下にラット肝細胞を穿刺吸引にて採取し細胞浮遊液を作成したところ、100-1000個の肝細胞が損傷なく採取できることが明かとなった。この細胞浮遊液より核酸を抽出し、逆転写酵素を作用させて相補的DNA(cDNA)とゲノムDNA(gDNA)の混合液を得、既知の濃度のmutant cDNA(competitor)を加えてPCRで増幅し、適当な制限酵素で消化することによってcDNA由来の産物とcompetitor由来の産物とを電気泳動分離し、その量比から目的とするmRNAの定量を行うことは原理的に可能である。一つのタンパクでのアッセイが確立すれば、即座に他のタンパクにも応用しうると考えられるため、まず肝のタンパク合成能をみる指標として、種々の実験で比較的情報量が多く産物の血中濃度測定が簡単なアルブミンのmRNAを選択した。 ラットアルブミン遺伝子のうち、ヒトとのhomologyが高く比較的intronの短い、exon4とexon5にまたがる部分(sitdA)とexon11とexon12にまたがる部分(siteB)を選び、プライマーを作成した。現在internal controlとして適当なcompetitorの作成に移っているが、gDNA由来のPCR産物は、そのintronの部分に多少のpolymorphysmを認めており、sequencingも含めた慎重な初期設定が必要である。同様のアッセイ系をイヌアルブミンでも作成中である。一方、動物実験としてラットでは同所性部分肝移植を行い肝再生能および合成能の評価を、イヌではレシピエントの肝を温存した異所性肝移植モデルを作成して分肝機能測定(ホスト肝とグラフト肝の機能を別々に評価)を想定し、モデルの確立ならびにサンプルの収集を行っている。
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