研究課題/領域番号 |
04557063
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50106407)
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研究分担者 |
梅田 雅宏 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (60223608)
上田 聖 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40094411)
堀川 義治 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20150584)
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キーワード | 脳代謝 / 核磁気共鳴法 / 拡散強調画像 / 代謝物質拡散強調画像 / 磁気共鳴スペクトル / 化学シフト画像 / アミノ酸 / 乳酸 |
研究概要 |
各種代謝物質の脳組織内での拡散状態を画像化することを目的として、昨年来の課題の基礎的検討を行った。まず、ハードウエアの条件として強い静磁場と傾斜磁場を渦電流なく高速でスイッチングする必要がある。前者では4.7T実験用NMR装置(現有)では十分な信号強度が得られず、米国Univeristy of California,San Francisco(UCSF)の7.0T装置でようやく可能と思われる程度であった。後者は、配分予算の削除のため自作せざるを得なかったが、渦電流対策が十分ではなく高速スイッチングに関し良好な結果が得られなかった。本研究では当初申請通りshielded gradient coil(既存製品)の導入が不可欠であった。この状況下で、測定パルス系列の開発とその基礎的検討を行った。対象核種を^1Hに限定し、拡散強調画像に必要なmotin probing gradient(MPC)をdoulble spin echo法による局在MRSのパルス系列に組み込んだ。まず、標準試料(乳酸、N-acetyl asparatate)での測定を行った。上記の如く4.7T装置では200-500mMという高濃度での測定は可能であった。しかし、動物実験をラット脳で行ったが、実用的な信号検出は行えなかった。そのため、測定パルス系列の最適化や改良を行っている現状である。さらに、どの位の磁場強度が必要であるかの検討のため米国UCSFへ赴き7.0Tでの実験を行い、本研究の最終確認を行う予定である。 本年度の研究結果からは、7.0Tクラスの装置とshielded gradient coilが必要であることが判明したが、装置および測定方法の最適化、目的とする代謝物質の限定化により低い磁場装置でも測定のる可能性があることが見い出せた。本法は代謝物質の組織内移動という非常に重要な情報が非侵襲的に測定できるいう点で、更に開発を続ける価値の高い研究である。
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