研究課題/領域番号 |
04557072
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 助教授 (40004642)
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研究分担者 |
岡田 弘晃 武田薬品研究所, 主任研究員
松田 幸久 秋田大学, 医学部, 助教授 (50157327)
佐藤 一成 秋田大学, 医学部, 助手
鈴木 敏夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 抗癌剤 / 担体 / 腫瘍血管 / エチルセルロース / ポリ乳酸マイクロスフェア / トリグリセライド / ヘマトポルフィリン |
研究概要 |
抗癌剤の治療効果を増強するには、抗癌剤を腫瘍血管床に限局して集積させるとともに長時間にわたって作用させることが、極めて有効な方法とされる。それには抗癌剤を封入または結合して腫瘍血管床に運搬する物体、すなわち担体が必要である。本研究は腫瘍血管を標的とする抗癌剤担体の開発を目的として行ない、以下の結果を得た。 1)エチルセルロースマイクロカプセルは水溶性抗癌剤を効率よく封入することができ、徐放性と安定性の富む担体である。しかし粒子径を100ミクロン以下に揃えることが困難であったが、製造工程における溶媒の粘度、攪拌速度ならびに冷却速度の改良によって10〜50ミクロンのマイクロカプセルを調整することが可能となった。これによって、治療対象病巣を拡大することが出来るようになった。 2)ポリ乳酸グリコール酸重合体を素材とするマイクロスフェア水中乾燥エマルジョン法によって作製する工程は、ほぼ確立できた。ただし本カプセルは脂溶性抗癌剤にのみ適用されることから、血管新生阻害によって抗腫瘍効果を発揮するTNP470(フマギリン誘導体)の担体として有用なことが示された。 3)油は微細血管床に停滞することから化学塞栓用の担体として利用可能であり、リピオドール(油性造影剤)や大豆油が使用されてきた。本研究では新たにトリグリセライド(MIGLYOL)をTNP470の担体に用いたところ、前2者に比較して徐放性と抗腫瘍性に極めて優れることが認められ、脂溶性抗癌剤の担体としての有用性が確認された。 4)ヘマトポルフィリン誘導体(diAc・Hp)と抗癌剤の結合体は超音波照射下で殺細胞効果を増強した。diAc・Hpは腫瘍集積性があることから、抗癌剤の有用な担体になり得ると期待された。
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