研究概要 |
本年は3次元動体視力計のハードウエア設計および製作を行い,これを作動するソフトウエアも作成し,装置を完成した。また幾つかの改良点もあり,これについて検討した。 1。3次元動体視力計の設計および製作 昨年作成した仕様に基づき,ほぼ,仕様書を満足する設計をすることができた。機構部は回転ミラーによる水平方向運動と,視標が前後方向と水平方向に同時に移動することを確認した。また,セラミックシャッターを採用することで単眼視または両眼視で呈示時間を制御することができることも確認した。主な仕様はつぎの通りである。視標の前後方向の移動距離は70〜4m,左右の移動角度は±1.5度,速度は100〜5Km/hの範囲で段階的に可変である。視標にはランドルト環を用い視標輝度は200〜0.1cd/m^2,の範囲で段階的に可変であり,色は白色,赤,青,緑,黄の5種類から選択することができる。視標の瞬間呈示は1〜1000msecの範囲で段階的に変えることができる。 2.ソフトウエアの仕様決定と作成 本装置全体と可動部分をインターフェースを介してパーソナルコンピュータ(PC9801FA,日本電気製)から制御するソフトウエアと,検査条件や結果をフロッピーに集計するソフトウエアの仕様を決定し,作成した。ソフトウエアは操作のし易さを考慮して設計した。測定項目は静止視力測定,動体視力測定,瞬間呈示測定からなり,これらはメニュー画面から選択することができる。各測定では視標呈示条件を画面表示を見ながら設定することができる。測定結果は被験者の氏名,性,生年月日,屈折度などの情報ともにフロッピーに記録され,また,印刷することもできる。また,多数の被験者のデータを集計するため,データは市販のデータベース・ソフトウエア上で集計できる形式で記録される。
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