研究課題/領域番号 |
04557078
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久保木 芳徳 北海道大学, 歯学部, 教授 (00014001)
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研究分担者 |
滝田 裕子 北海道大学, 歯学部, 教務職員 (30125330)
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
水野 守道 北海道大学, 歯学部, 助手 (10125354)
川浪 雅光 北海道大学, 歯学部, 助教授 (10133761)
加藤 熈 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 骨形成因子 / BMP / 担体 / コラーゲン線維膜 / 歯周組織 |
研究概要 |
本研究は申請者が開発したコラーゲン線維膜(fibrous collagen membrane.以下、FCMと略す)に骨を分化誘導する因子である骨形成タンパク質(bone morphogenetic protein,以下BMPと略す)を配合して複合コラーゲン膜を構成し、これを歯周組織に埋植して、一方に歯槽骨を、他方に歯根膜を再建するという新しい生物学的歯科技術を開発することを目的としている。昨年度までに調製法を確立したウシ骨由来のBMPおよびFCMを用いて今年度は次のような成果を得ることが出来た。 1.BMP・FCM複合体を、ラットの皮下および歯周組織に埋植し、骨形成過程を生化学的、組織学的に解析した結果、いずれも旺盛な骨形成を確認した。皮下においては、軟骨形成が1週目に観察されたが、従来の担体である脱灰骨基質(IBM)を用いた観察とは全くことなって、軟骨はコラーゲン線維束の間隙に、骨は必ず、線維束の上に出来、両者は独立に形成されることがわかった。 2.さらに、これらの複合線維膜の実験と平行してBMP・ハイドロキシアパタイト複合体による実験の前段階として多孔性顆粒状のヒドロキシアパタイト(気孔徑150μm.粒径0.3-0.5mm、以下PPHAPと略す)にBMPを配合して皮下に埋植した結果、軟骨形成なしに、直接PPHAPの細孔内に骨が形成されることを見いだした。 3.一方、新しい重要な問題点を見いだされた。それは遺伝子工学的に合成したBMP(rBMP)をFCMに配合した場合、天然BMP・FCMの組合せよりも効率が低いという事実である。この点の解釈として我々は、純粋なBMP、例えばrBMPをコラーゲン線維膜のような化学的に明確な支持体上で発現させるためには第三の因子(補助因子)が必要であると考えている。補助因子としては、現在までに知られているアクチビンとTGF-β以外の成分であることも確認した。
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