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1992 年度 実績報告書

顎関節症診断データベースの構築と診断エキスパートシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 04557083
研究機関東北大学

研究代表者

渡辺 誠  東北大学, 歯学部・高齢者歯科学講座, 教授 (80091768)

研究分担者 菊池 雅彦  東北大学, 歯学部・高齢者歯科学講座, 助出 (60195211)
キーワード顎関節症 / データベース / 診断エキスパートシステム / 咬合異常
研究概要

顎関節症は咀嚼筋や顎関節の疼痛や機能障害を主要症状とし、さらに頭痛、肩こり、耳痛などの頭頚部に様々な随伴症状を呈する疾患である。そのため本疾患と類似した症状を呈する他の疾患との鑑別診断は容易ではない。また本症の成因として咬合異常をはじめ心理的ストレス、外傷など多数の因子が考えられている。顎関節症の治療に際しては鑑別診断、成因の診断を確実に行うことが肝要である。本研究はこれまで術者の経験、知識に負うところの大きかったこれらの診断を客観的に行うための診断データベースとエキスパートシステムを構築することを目的とする。
本年度は、約450症例のプロトコールをもとに初診時の各種臨床症状、咬合状態、治療方法、ならびに治療経過に伴う各種症状の治癒経過からなる診断データベースを構築した。これまで、このデータベースをもとに種々の統計学的分析を行い、顎関節症における種々の臨床的特徴を明らかにした。すなわち、開口痛と開口制限、咀嚼痛、あるいは咬筋浅部と深部の圧痛などの症状間には高い関連性が認められること、顎関節雑音は他の症状との関連性が低いことなど、顎関節症症状の発現には一定の様式が観察されることが示された。またその消失過程では、自発痛、僧帽筋の圧痛などは早期に消失し、開口制限、顎二腹筋後腹の圧痛は比較的遅く消失することなど、発現様式と同様に一定の規則性が存在することを認めた。また心因性顎関節症患者では、主要症状に比較し随伴症状の有症率が高く、その消失過程も一般の患者群とは異なることがわかった。さらに咬合状態との関連においては、咬合調整治療群、開咬患者群では顎関節症状の有症率が高いことなどの臨床症状の特徴を同らかにした。以上の結果は、患者の臨床症状、その消失過程、咬合状態から顎関節症の鑑別診断、成因診断を確実に行いうることを示しており、今後、これらの所見をもとに診断エキスパートシステムを構築する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 許 重人,渡辺 誠 ほか: "顎関節症の臨床像に関する研究" 日本補綴歯科学会雑誌. 36. 783-790 (1992)

  • [文献書誌] 佐々木 啓一,渡辺 誠 ほか: "顎関節症における各臨床症状の発現様式とその関連性" 日本補綴歯科学会雑誌. 36. 791-798 (1992)

  • [文献書誌] 稲井 哲司,渡辺 誠 ほか: "顎関節症における顎頭蓋筋の圧痛の発現様式" 日本補綴歯科学会雑誌. 36. 799-809 (1992)

  • [文献書誌] 渡辺 誠,平松 伸一 ほか: "咬合調整によって治癒した顎関節症患者の特徴" 日本補綴歯科学会雑誌. 36・87特別号. 43- (1992)

  • [文献書誌] 菊池 雅彦,佐々木 啓一 ほか: "オープンバイトを有する顎関節症患者の特徴と臨床経過" 日本補綴歯科学会雑誌. 36・88特別号. 112- (1992)

  • [文献書誌] 稲井 哲司,許 重人 ほか: "心因性顎関節症患者の臨床的特徴" 日本補綴歯科学会雑誌. 36・88特別号. 118- (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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