研究概要 |
本研究の最初の年度である平成4年度においては、まずいままでの研究から下顎骨領域の投影データを収集することができる軌道に沿ってX線管球,イメージングプレートを駆動する装置を設計し,試作した。 この軌道は270度の回転運動と前後移動の組合せにより下顎歯列弓に合わせただ円の形状となっている。撮影され再構成される領域は最大8cm幅とし,下顎歯列弓が完全に含まれる。またイメージングプレートには1回の投影で2cm×8cmのデータが収集される。これにより1mm幅のスライスのデータ20スライス分が一連のスキャンで得られるように設計された。 試作にあたってはこのような研究代表者の設計した軌道条件を満たすようにし,駆動機構は精度上の要求からステッピングモータにより,また制御は外部よりマイクロコンピュータ制御機構をとりいれたものを作成した。(実際の製作は研究代表者の指示,任様により朝日レントゲン工業に依託した。) 本装置の駆動機構は予定された軌道をとることが確認されており,次年度以降ファントムにより実際のデータ収集について検討する予定である。 これらの研究の一部について(下顎骨をもちいた実験用システム)はOralRadiologyに掲載された。また本研究の画像再構成法(最尤推定法によるコンピュータ断層法における画像再構成法)について日本医学物理学会研究会において口演発表した。
|