本年度は昨年およそ完成したイメージングプレートを用いたコンピュータ断層撮影システムについて撮影(データ収集)装置制御プログラムと遠隔制御用の通信機構の改良をはかり信頼性の向上と機器駆動に伴う撮影インターバル時間の短縮を可能にした。このためデータ収集が容易になり、あわせて将来の実用化が非現実的なものではないことを示した。これらは撮影(データ収集)装置内部に設けたカード型コンピュータのメモリーに焼きこんだソフトの改良と、X線照射時の電気的雑音による誤動作を防ぐため光による通信機構の電気的分離をおこなうとにより可能となった。 さらに画像再構成ソフトの改善をはかり下顎骨の画像(20x200x200ボクセル)については前回ほぼ12時間程度必要であった画像再構成時間を2時間程度まで短縮できた。このように当初目的としたシステムは完成しファントムの画像が得られた。これらについては第10回国際顎顔面放射線学会にて発表した(なおこの内容については英文論文として刊行される予定である)。 一方、現在のX線CTやスパイラルスキャンの実用化により急速に進歩し、顎顔面領域でも任意断面の画像作成やいわゆる3D画像などが簡単に得られるようになった。鹿児島大学歯学部付属病院にも昨年このようなCTが導入され、この装置の使用経験と対比から我々の試作提案するシステムの実用化についてスパイラルスキャン機構の応用を考慮する必要が示唆された。
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